暑さで体力が奪われて、食欲が低下しがちな夏。そんな時こそ、さっぱりとした魚料理と日本酒の組み合わせで夏バテを吹き飛ばしましょう。
とはいえ日本酒にも魚にもさまざまな種類があるので、どう組み合わせたら良いのか悩んでしまいますよね。
今回は、魚と日本酒の相性が良い理由と、魚の種類ごとのおすすめ日本酒、魚の調理への日本酒の活用法についてご紹介します。
魚と日本酒は相性抜群!
日本酒と魚は、とても相性の良い組み合わせです。その理由として、魚に含まれる成分があります。魚の旨味成分は、主に「グルタミン酸」と「イノシン酸」の2種類です。日本酒に含まれるアミノ酸には、これらの旨味成分を引き立てる効果があります。
また魚には生臭さの原因とされる「トリメチルアミン」という物質が含まれます。トリメチルアミンには、揮発しやすい性質があります。日本酒と共に楽しむことで、日本酒に含まれるアルコールが蒸発するときにトリメチルアミンが揮発し、生臭さが緩和される効果が期待できます。
魚の種類ごとのおすすめ日本酒
では、魚と日本酒のマリアージュをより楽しむためには、どのように組み合わせるのが良いのでしょうか。ここでは、魚の種類ごとのおすすめ日本酒を見ていきましょう。
マグロ・カツオ・サバ・アジなどの赤身魚
高タンパクで脂肪分が多い赤身魚には、魚の味わいに負けないよう、力強く日本酒の味わいをしっかりと楽しめるものがおすすめです。酸味のしっかりした辛口系の日本酒はよく合います。
脂がのっていて旨みが強いマグロは、同じように米の旨みを強く感じられる純米酒がおすすめです。中トロのように特に脂が多い部位には、シャキっとドライな日本酒を合わせると、口の中の脂っこさを洗い流してリセットし、さっぱりと味わえます。
中トロならではのとろける食感を楽しみたい場合は、お燗と合わせましょう。
タイ・ヒラメ・タラ・フグなどの白身魚
身が硬く締まっていて淡泊な白身魚は、クセの強い日本酒だと魚本来の味わいを損ねてしまいます。さっぱりとした繊細な味わいを活かすには、爽やかな淡麗辛口の日本酒が良いでしょう。香りは穏やかなものがおすすめです。
貝類
貝類には、アミノ酸であるグルタミン酸やコハク酸、動物性糖質グリコーゲンなどの旨味成分が豊富に含まれます。これらは日本酒にも含まれる成分です。
旨みの強い日本酒と貝類を合わせることで相乗効果が生まれ、新たな味わいを楽しめます。米本来の旨みや甘みがあり、ふくよかな味わいの純米酒などがよく合います。
また貝類の磯臭さのような独特の香りを和らげるには、さっぱり系の本醸造酒や吟醸系の日本酒を合わせるのもおすすめです。
エビやカニなどの甲殻類
エビやカニなど強い旨みを持つ甲殻類には、フルーティーな香りと爽やかな酸味が楽しめる辛口の日本酒がおすすめです。甲殻類の味わいが日本酒に負けないため、お互いの個性を活かして楽しめます。
また豊かな酸味とフレッシュな味わいが魅力の「無濾過生原酒」を合わせても良いでしょう。
魚の調理にも活躍する!?日本酒の活用法
日本酒は魚をつまみに楽しむだけでなく、魚を調理する上でも役立ちます。魚を煮たり焼いたりする前に少し日本酒に漬けておくと、臭みが和らぎおいしく仕上がります。
また焼く前に魚の表面に日本酒を塗ると、ふっくらと柔らかく仕上げる効果もあります。和風アクアパッツァや、日本酒を使った鍋「美酒鍋」に魚介を入れるのもおすすめです。
日本酒と魚のマリアージュを堪能しよう
今回は、魚と日本酒の相性が良い理由と、魚の種類ごとのおすすめ日本酒、魚の調理への日本酒の活用法についてご紹介しました。
日本酒と魚料理は、どちらも日本の食文化を語る上では欠かせない存在です。最適な組み合わせを選ぶことで、相乗効果で新たなおいしさを楽しめます。