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華やかで飲みやすい!フルーティーな日本酒の種類と選び方


味わいや香りなどのバリエーションが豊富な日本酒。中でもフルーティーな日本酒は、日本酒初心者や日本酒独特のアルコール感が苦手な方でも飲みやすく、幅広い層から人気を集めています。

今回は、フルーティーな日本酒の種類や選び方、日本酒のフルーティーな香りは何から生まれるのかをご紹介します。

 

フルーティーな日本酒の種類

日本酒は大きく分けると「特定名称酒」とそれ以外の「普通酒」の2つに分類され、特定名称酒は「純米酒」「本醸造酒」「吟醸酒」の3つに分類されます。

純米酒とは、醸造アルコールが添加されておらず、米と米麹、水のみで造られた日本酒です。本醸造酒とは、精米歩合70%以下の米や米麹、醸造アルコール、水を原料にして造られています。

フルーティーな日本酒が多いのは、吟醸酒です。吟醸酒とは、米と米麹、水に醸造アルコールを加えた原料で造られた、精米歩合が60%以下の日本酒です。通常より低温で長期間かけて発酵させる「吟醸造り」という製法で造られており、口当たりが良く果実のように華やかな香りを持っています。

 

日本酒のフルーティーな香り「吟醸香」

お米と水から造られる日本酒から、なぜフルーティーな香りが生まれるのでしょうか。その理由は、日本酒の製造過程で発生する「吟醸香」にあります。吟醸香とは、米の表面を削って酵母や麹・水を加えて発酵させる際に生まれる果実のようなな芳香です。米を磨けば磨くほど酵母の発酵は進みやすくなるため、吟醸香も生まれやすく、香り高い日本酒になります。

吟醸香の香りのもとは化合物です。代表的な成分には、リンゴのようなさわやかな香りのカプロン酸エチル、バナナのような甘く芳醇な香りの酢酸イソアミルなどがあります。これらの化合物は、メロンやリンゴなどの果物に含まれる成分と同じものです。

フルーツや果汁を一切使っていない日本酒からフルーティーな香りがするのは、この吟醸香の成分のおかげです。日本酒に含まれる香り成分のバランスによってさまざまなフルーツの香りが生み出されます。

 

フルーティーな日本酒の選び方

フルーティーな日本酒と一口にいっても、その味わいは多岐にわたります。ここでは、フルーティーな日本酒の選び方についてご紹介します。

まずは、甘口か辛口かに注目しましょう。甘口の日本酒は、米由来のやわらかな甘味と、まろやかで濃厚な味わいが楽しめます。辛口の日本酒は糖分が少なく、すっきりとしたキレのある味わいです。日本酒の甘さ・辛さの目安は、「日本酒度」という数値を確認しましょう。一般的には「-1.4〜+1.4」が中間の数値で、それより小さいと甘口、大きいと辛口です。

日本酒を選ぶ際は、料理との相性も重要です。フルーティーな日本酒は、香りの強い料理とよく合います。メロンなら生ハム、パイナップルなら豚肉など、香りの味わいと近いフルーツと合わせて食べるのもおすすめです。

 

フルーティーな日本酒の楽しみ方

日本酒のフルーティーな香りを存分に楽しむには、冷やして飲むのがおすすめです。冷やすことで華やかな香りをより一層引き立てて、すっきりと飲みやすくなります。

冷やしすぎるとせっかくの香りが感じにくくなるため、5~10℃を目安に冷やしましょう。また酒器は、小さいおちょこだと香りを感じにくいため、口の広いワイングラスに注ぐのがおすすめです。

しっかり冷やして、口の広いワイングラスなどのグラスで飲むと、フルーティな香りをしっかり楽しめます。フルーティーな日本酒は、開けたばかりのものだと青い果実のように香りが淡泊なことがあります。一晩置くことで果実が熟れるように香りが開くことがあるため、試してみてください。

 

華やかで飲みやすいフルーティーな日本酒

今回は、フルーティーな日本酒の種類や選び方、日本酒のフルーティーな香りは何から生まれるのかをご紹介しました。日本酒のフルーティーな香りの正体は「吟醸香」です。