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生ビールの「生」とは?他のビールとの違いに迫る


居酒屋の席に着いたら、「とりあえず、生ビールで!」と注文したくなりますよね。

普段何気なく口にしている生ビールですが、「生」が何を指しているのか意外と知らない人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、生ビールとはどのようなビールなのか、他のビールとの違いやおいしい生ビールの見分け方をご紹介します。

 

「生ビール」とは

生ビールとは、熱処理をしていない「非加熱処理ビール」を指します。日本で流通しているビールの多くが非加熱処理ビールにあたります。居酒屋などでよく提供される樽詰めのビールだけでなく、缶や瓶のビールでも非加熱であれば「生ビール」です。

1960年代頃までは熱処理を行ったビールが主流で、酵母の活動を止めて発酵をストップし、風味や品質を一定に保つために必要な工程でした。また、菌の繁殖を抑えて保存性を高める効果もありました。

その後製造技術の向上によって、熱処理の代わりにろ過するだけで酵母を除去できるようになり、生ビールが主流となりました。

 

熱処理ビールとの違いは

では、生ビールと熱処理ビールには具体的にどのような違いがあるのでしょうか。基本的に生ビールは、スッキリと軽い飲み心地のものが多いです。対して熱処理ビールは、どっしりと重く、飲みごたえのある味わいが特徴です。こうした特徴を生かして、あえて熱処理を施したビールも人気を集めています。

例えばキリンビールの「キリンクラシックラガー」は、昭和40年ころの味わいを再現し、当時と同じ熱処理製法で「コク・苦み・味わい」にこだわった本格派のビールです。「サッポロラガービール」は、熱処理ビールならではのほどよい苦味と厚みのある味わいを楽しめます。日本に現存するビールブランドで最も歴史が長く、「赤星」の名で今も多くの人々に愛飲されています。

 

おいしい生ビールの見分け方

ここでは、おいしい生ビールを見分けるポイントをご紹介します。

生ビールのおいしさを見分けるには、まずは泡に注目しましょう。ビールの泡には蓋の役割があり、ビールが空気に触れないようにすることで液体中の炭酸ガスを逃さず閉じ込めたり、風味の変化を防いだりします。

また、クリーミーできめ細かい泡は、柔らかな口当たりを生み出します。ビールの液体と泡の割合は「7:3」が理想です。ビールは冷やしすぎると泡立ちにくくなるため6~8℃程度に冷やします。まずはグラスの2~3cmほど上の高さから勢いよく注ぎ、その泡を持ち上げるイメージでゆっくりと注ぐとちょうど良いバランスにしやすいです。

ビールの色

グラスに注がれたビールの色が透明感のある黄金色だと、おいしい生ビールである可能性が高いです。グラスに油分の汚れが付着していると、グラスの内側に気泡ができやすく、ビールの色がやや濁って見えます。

気泡ができるのはビールの炭酸が分離している証拠。泡立ちや泡持ちが悪くなり、ビールのおいしさが半減します。家で生ビールを飲む際は、多めの泡でしっかりと洗い自然乾燥させたグラスに注ぐと、透き通ったおいしい状態で楽しめるでしょう。

フロスティミスト

「フロスティミスト」ができていることも、おいしいビールのポイントです。フロスティミストとは、泡とビールの境界辺りにできる薄い層のこと。霧状の細かい泡でできており、飲むたびに泡を再生する効果があります。泡持ちが良くなり、最後の一口まで生ビール本来のおいしさを楽しめます。

 

キンキンに冷えた生ビールを堪能しよう

今回は、生ビールとはどのようなビールなのか、他のビールとの違いやおいしい生ビールの見分け方をご紹介しました。お店だけでなく、家庭でも楽しめる生ビール。暑い季節には、キンキンに冷えた生ビールで一日の疲れを癒しましょう。