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糖尿病でも日本酒は飲んで良い?血糖値を意識したお酒の楽しみ方


「高カロリー」「糖分が高い」といったイメージを抱かれがちな日本酒。糖尿病の方や血糖値が気になる方にとっては、日本酒を飲んでもよいか心配になることもありますよね。

とはいえ、飲みたいのを我慢し続けるのはつらいもの。そこで今回は、血糖値を意識したお酒の楽しみ方についてご紹介します。

 

糖尿病とは

そもそも糖尿病とはどのような病気なのでしょうか。糖尿病とは、血液中の糖分をエネルギーに変える働きをする「インスリン」というホルモンが不足することで、血糖値の上昇を抑える働きが低下し、慢性の高血糖状態となる病気です。

手足の感覚などをつかさどる末梢神経にダメージを与え、手足がしびれたり、痛みの感覚が鈍くなったりする症状が現れます。放置すると血管が傷つき、心臓病や足の壊疽・切断、失明、腎不全など、寿命にも影響を及ぼす重大な合併症を引き起こす可能性もあります。

糖尿病はその原因によって、「1型糖尿病」「2型糖尿病」「その他特定の機序、疾患によるもの」「妊娠糖尿病」と大きく4種類に分類されます。2型糖尿病は食べ過ぎや運動不足などの生活習慣、年齢、遺伝によって発症することが多く、日本では近年患者数が急激に増加しています。食事療法や運動療法、薬物療法などを行い、血糖値をコントロールしていく必要があります。

 

糖尿病だと日本酒はNG?

「糖尿病だとお酒は飲んではいけない」「厳しい食事制限がある」と思われがちですが、そんなことはありません。実は日本酒と糖尿病には直接的な関係はなく、病状によってはアルコールをすべて禁止されるわけではないのです。むしろ日本酒には、血糖値を下げるインスリン様の物質が含まれ、糖尿病を予防する効果があるというデータもあります。

糖尿病の食事療法は、通常の方の糖尿病にならないための健康食とほとんど差がありません。食べ過ぎを避け、偏食せずに規則正しい食事をすることが重要とされています。アルコールに関しても、食事療法に慣れて血糖値のコントロールが上手くいっている場合は医師から飲酒の許可が出ることもあります。日本酒を飲みたい方は自己判断で飲酒することは避け、医師に相談してみましょう。

 

血糖値を意識したお酒の楽しみ方

糖尿病の方が日本酒を飲む場合は、バランスの取れた食事と適度な運動、そして正しい飲み方を心がけましょう。お酒には食欲を増進させる作用があるため、食べ過ぎには注意が必要です。アルコールによって体内の血液量が増えて全身の血行が良くなり、胃液の分泌が盛んになるためです。また、脳の視床下部にある満腹中枢が麻痺してしまうことも原因のひとつです。

日本酒と合うおつまみには、塩分の濃いものや糖分の高いものも多くあります。日本酒そのものにも1合(180ml)あたり6.5〜8.8gの糖分が含まれるため、糖質の多いおつまみやシメと共に飲酒することで糖質オーバーしがちです。

おつまみの糖質をオフにするためには、肉や魚、卵、乳製品、豆腐類など高タンパク質のものを中心とし、野菜やきのこ類など血糖値の上昇を緩やかにする食物繊維が豊富な食材を組み合わせると良いでしょう。また空腹のまま飲酒すると胃腸への負担も大きくなるため、アルコールの作用による食べ過ぎを防ぐためにもお酒を飲む前にある程度お腹を満たしておくことも大切です。

 

糖尿病でも上手に日本酒と付き合おう

今回は、血糖値を意識したお酒の楽しみ方についてご紹介しました。血糖値のコントロールが重要な糖尿病ですが、医師からの許可があれば日本酒を飲むことは可能です。バランスの取れた食事や適度な運動など日々の生活習慣に気を遣い、飲酒時にも低糖質なおつまみを選ぶことがポイントです。健康に悪影響のない範囲で、上手に日本酒と付き合いましょう。