白く濁った色が特徴の「どぶろく」。お米のまろやかさと濃醇な味わいを感じられ、人気を集めています。
同じように白濁している日本酒のにごり酒や韓国のマッコリと見た目は似ていますが、どぶろくは日本酒には分類されず、製造過程や味わいにおいてそれぞれ違いがあります。
今回は、どぶろくとはどのようなお酒なのか、にごり酒との違いや特徴についてご紹介します。
「どぶろく」とは
「どぶろく」は、日本酒と同じように米と米麹、水を原料として造られる、日本の伝統的なお酒です。日本酒との違いは、発酵させた後にもろみを濾さず、白く濁っている状態で完成させることです。お米の栄養や旨味、甘み、適度な酸味などがそのまま残っており、甘酒のようにとろりとした濃厚な口当たりを楽しめます。
同じどぶろくでもさまざまな味わいのものがあり、華やかな香りやさっぱりとした飲み口のもの、シュワシュワとした発泡感を楽しめるものもあります。アルコール度数も低いものは6度程度、高いものは17度以上とバリエーション豊かです。
にごり酒やマッコリとの違い
どぶろくと日本酒のにごり酒との大きな違いは、もろみを濾すか否かです。どぶろくは日本酒と同じく米・米麹・水という原料から造られるお酒ですが、酒税法上の「清酒」の定義からは外れ、「その他の醸造酒」に分類されます。これはどぶろくの製造過程で、「清酒」で義務づけられているもろみを濾す工程を行わないためです。
にごり酒は、米と米麹から出来たもろみを粗ごしして造るため、「清酒」として分類されます。お酒の中に澱(おり)と呼ばれる細かい固形成分が残るため、どぶろくと同様白く濁った見た目に仕上がります。
どぶろくはもろみを濾していない分、にごり酒よりも口当たりがトロリとしており、米本来の甘みや旨みを強く感じられます。にごり酒は澱をどのくらい残すかで見た目の濁り具合や口当たり、味わいが異なります。
韓国の伝統的な醸造酒であるマッコリも、見た目が白濁したお酒のひとつです。どぶろくと基本的な製造工程は同じですが、原料が大きく異なります。マッコリも主な原料として米が使われますが、米のほかにも小麦やトウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモなどの穀物も使われます。
これらを蒸してから乾燥させた後、麹と水を加えて発酵させ、固形物を粗ごしして造られるお酒がマッコリです。アルコール度数は6~8%のものが主流で、米のほんのりとした甘味と酸味、乳酸菌飲料のようなまろやかな風味が特徴です。
どぶろくの楽しみ方
どぶろくには、炭酸ガスが含まれるものも多くあります。炭酸ガスが溜まりすぎると、開栓時に噴出したり、最悪破裂したりする恐れもあります。開栓前には刺激を与えずに瓶を立てて落ち着かせ、しっかりと冷やしましょう。開封時には、一気に開けず、少し開けて閉めるという動作を繰り返すことで少しずつガスを抜きます。
どぶろくを初めて飲む方は、まずは冷酒で楽しんでみてください。冷酒にすることで飲み口が引き締まり、軽やかで飲みやすくなります。炭酸割りでさっぱりとした口当たりを楽しむのも良いでしょう。どぶろくの独特なまったりとした味わいを堪能するなら、ロックがおすすめです。一度開栓した後はガスが抜けるため、早めに飲み切りましょう。
米の魅力を感じられるどぶろくやにごり酒
今回は、どぶろくとはどのようなお酒なのか、にごり酒との違いや特徴についてご紹介しました。米本来の甘みや旨み、そしてまったりとした濃厚な口当たりを楽しめるどぶろく。見た目がよく似たにごり酒やマッコリとは、また異なる魅力があります。それぞれ飲み比べて、違いを感じてみるのも楽しいですね。