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発酵のロマンを味わう。「発泡にごり酒」の魅力と楽しみ方を解説


日本酒の世界は実に奥深く、さまざまな個性を持つお酒が存在します。

近年、その中でも注目を集めているのが「発泡にごり酒」です。

にごり酒特有のまろやかな口当たりと、シュワっと弾ける炭酸の爽快感。発酵の余韻をそのまま味わうような組み合わせで、新しい日本酒体験をもたらしてくれます。

今回は、そんな発泡にごり酒の特徴や魅力、楽しみ方について詳しくご紹介します。

 

発泡にごり酒とは?

発泡にごり酒とは、にごり酒に自然な炭酸が加わったお酒のことです。多くの場合、瓶内で二次発酵を行い、酵母が生み出す炭酸をそのまま閉じ込めています。

さらに製法によっては、酵母が生きたまま瓶詰めされていることもあります。

発酵が続いている、いわば「生きているお酒」と言えるでしょう。そのため時間が経つごとに味わいが変化し、まるでワインのように熟成を楽しむこともできます。

発泡にごり酒の魅力

発泡にごり酒の最大の魅力は、やはりその爽やかな飲み口にあります。

一般的なにごり酒は、もろみを濾さずに残して仕上げるため、濃厚で甘みが強い印象があります。

一方で発泡にごり酒は、炭酸が加わることで口当たりが軽やかになり、飲み疲れしにくいのが魅力です。

口に含むと、発酵によって生まれたきめ細かな泡が舌の上でやさしく弾け、後味はスッキリ。にごりのクリーミーさと発泡の爽快感が合わさることで、まるでヨーグルトドリンクのような優しい酸味と泡の刺激が生まれます。

日本酒ファンのみならず、日本酒初心者の方にとっても飲みやすく人気です。

発泡にごり酒は香りも個性的で、バナナやメロンのような甘くフルーティーな香りが立ち上る銘柄も多くあります。

グラスに注いだ瞬間から炭酸が香りを引き立て、爽やかに楽しめます。

見た目も他の日本酒とはひと味違います。白くにごった液体に泡が混ざることで、華やかさが生まれます。

テーブルに置くだけで特別感があり、暑い季節や食前酒、乾杯の一杯としてもぴったりです。

 

発泡にごり酒を楽しむポイント

ここでは、発泡にごり酒をより楽しむためのポイントをご紹介します。

料理とのペアリングを楽しむ

発泡にごり酒は、料理との相性も抜群です。

例えば、モッツァレラチーズとトマトのカプレーゼのような爽やかな前菜によく合います。炭酸が素材の風味を引き立て、後味がさっぱりするため次の一口を新鮮な気持ちで楽しめます。

また、スパイスを効かせたアジア料理や油を使った唐揚げなど、少しパンチのある料理ともよく合います。

泡の刺激と酸味が油っぽさをリセットしてくれるので、ついつい箸が進みます。

甘みのあるデザートと合わせて、食後酒として楽しむのもおすすめです。

たとえば、フルーツのタルトやレアチーズケーキと合わせると、まるでカクテルのような贅沢感を味わえます。

デザートワインとはまた違った、日本酒ならではの和の風味を感じられるため、冷やしぜんざいや葛餅など冷たい和菓子と合わせて楽しむのも良いですね。

飲む前の取り扱いに注意

発泡にごり酒は、瓶内で自然発酵が続いているため、開栓時に注意が必要です。

勢いよく開けると、炭酸とにごりが反応して吹きこぼれてしまうこともあります。思わず底に沈殿したにごりを混ぜたくなりますが、吹き出しの原因になるため開ける前は瓶を振らないようにしましょう。

冷蔵庫でしっかり冷やし、ボトルを少し傾けながらゆっくり栓を開けるのが安全です。

 

夏にぴったり。爽快な発泡にごり酒

今回は、発泡にごり酒の特徴や魅力、楽しみ方について詳しくご紹介しました。

発泡にごり酒は、多種多様な日本酒の中でもひときわユニークで個性的な存在です。

発酵という自然の力を活かしながら、「にごり」と「炭酸」という異なる要素が見事に調和しています。

飲み口がさっぱりとして飲みやすいため、普段はあまり日本酒を飲まない方にも、ぜひ一度試していただきたい日本酒ですスパークリングワインのような爽快感で、夏の暑さを吹き飛ばしましょう。