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日本酒通ならぜひ訪れたい「蔵開き」とは?楽しみ方をご紹介


新酒が完成する時期になると、多くの酒蔵では「蔵開き」が開催されます。日本酒ファンにはもちろん、日本酒初心者の方やこれから日本酒に詳しくなりたい方にもおすすめです。

今回は、日本酒の蔵開きとはどのような催しなのか、開催される時期や楽しむポイントについてご紹介します。

 

日本酒の蔵開きとは

日本酒の蔵開きとは、日本酒の完成を祝ってお客様へ日頃の感謝を示す、いわばその酒蔵の感謝祭のようなイベントです。

蔵開きでは新酒や限定酒の試飲販売が行われ、しぼりたてのフレッシュな新酒を楽しめます。

普段は見ることのできない蔵の中を見学してお酒を造る工程をたどったり、杜氏や蔵人から直接酒造りのお話が聞けたりすることもあり、蔵開きならではの非日常な体験ができるのも魅力です。

また酒蔵の方にそれぞれの日本酒の特徴を教えてもらいながら飲み比べができるため、日本酒についての知識がより深まり、自分好みの日本酒を見つけることができるでしょう。

グルメ出店がある蔵開きではおつまみに困ることもなく、日本酒好きでない方も一緒に楽しめます。

 

蔵開きが行われる時期

蔵開きは、新酒の仕込みが終わるタイミングや新酒が完成したタイミングに行われることが多いです。

一般的に日本酒は12月から2月頃の寒い時期に仕込まれ、これを「寒造り(かんづくり)」と呼びます。

寒い時期は雑菌が繁殖しにくく温度管理がしやすいため、酒造りには最適な環境です。江戸時代には寒造りが確立され、米を無駄にしないため冬以外の米作りが禁止されていたと言われています。

現代では年間を通して温度管理ができる設備もあり、年間を通して酒造りを行う「四季醸造」の酒蔵もありますが、多くの酒造では今も寒造りが行われています。

日本酒の製造には約60日間かかるため、寒造りで仕込んだ新酒が出揃うのは2月から3月ごろです。この時期には多くの酒造で蔵開きが行われます。

 

蔵開きを楽しむポイント

普段はあまり入る機会のない酒蔵。初めて蔵開きに参加するとなると、少し緊張してしまいますよね。

ここでは、蔵開きを楽しむポイントについてご紹介します。

予約の有無を確認

蔵開きは基本的には予約なしで行けるものがほとんどですが、酒蔵の見学やイベントの参加には予約が必要な場合もあります。

「せっかく来たのに蔵に入れなかった」と残念な思いをしないために、事前に蔵に確認しておくのがおすすめです。

また酒蔵によっては、蔵開きに来られない方に向けて、オンライン注文の予約を受け付けていることもあります。

日程が合わない場合も、情報をチェックしてみると良いでしょう。

納豆や香水は控える

酒蔵に足を踏み入れる際は、納豆や香水は控えるのがマナーです。酒造りは、麹菌や酵母菌、乳酸菌などの微生物の力を借りつつ、絶妙なバランスを保って行われています。

中でも麹菌は、酒造りの要となる米麹を造る重要な菌です。麹菌はとてもデリケートなため、納豆菌のような繁殖力の高い菌に負けてしまいます。

一度侵入した納豆菌は、熱湯や石鹸を使っても取り除くことが難しいです。そのため酒造り期間中の蔵人たちは納豆を控えていると言われています。

肉眼では見られない小さな微生物たちの邪魔をしないように、蔵見学当日は納豆を控えましょう。

また蔵開きでは日本酒の飲み比べをすることもあり、繊細な味わいの違いを感じられるようにしておきたいもの。

自分のためにも周りのためにも、香りの強い香水は避けましょう。

やわらぎ水を持参する

おいしい日本酒を楽しめる蔵開きでは、飲みすぎに注意が必要です。

お酒の合間に飲む「やわらぎ水」を持参して、お酒を飲む量の倍は飲むように意識しましょう。

お水を飲むことで肝臓のアルコール分解を助けて、悪酔いや二日酔いを防げます。

 

蔵開きで日本酒をもっと好きになる

今回は、日本酒の蔵開きとはどのような催しなのか、開催される時期や楽しむポイントについてご紹介しました。

新酒が完成する2月から3月にかけて、多くの酒造で開催される蔵開き。絞りたてのフレッシュな日本酒を味わえたり、酒蔵を見学できたりと、さまざまな楽しみがあります。

日本酒がもっと好きになること間違いなしのイベントに、ぜひ足を運んでみてください。