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新感覚のおいしさ!日本酒×スパイスのペアリングを楽しもう


日本酒というと、和食と合わせるイメージを持つ方が多いですよね。米と米麹、水を主原料として造られる日本酒は、米と相性の良い和食とよくマッチします。

しかし実は、スパイスを使った料理とも相性が良いんです。今回は、スパイスの役割や、日本酒とスパイスのおすすめペアリングについてご紹介します。

 

スパイスの役割とは

そもそもスパイスとは、植物の種子や葉などを乾燥させた、香りや刺激のある香辛料の総称です。

世界では350~500種のスパイスが存在すると言われており、形状も風味も多岐にわたります。

スパイスには、料理への香り付け、辛味付け、色付け、肉や魚など食材特有の臭みを消すなど、料理をおいしくするさまざまな役割があります。

スパイスを有効活用することで味にメリハリを付け、食欲増進やリラックス効果、デトックス効果などももたらします。単体で使うだけでなく、複数のスパイスを組み合わせることで深みのある味わいを生み出すこともできます。

 

古くから親しまれてきた日本酒×スパイスの風習

古くから親しまれてきた日本酒の風習にも、スパイスが使われているものがあります。無病長寿を願ってお正月に飲む「お屠蘇(おとそ)」です。

お屠蘇は、「屠蘇散(とそさん)」や「屠蘇延命散(とそえんめいさん)」と呼ばれる5~10種類ほどの生薬を調合したものを、日本酒やみりんに漬け込んで作られます。

調合される生薬はメーカーなどによって異なりますが、山椒や陳皮、八角など、中華料理のスパイスとしてよく使われる、体に良い作用を持つものが一般的です。

生薬の複雑な苦みをほのかに感じ、爽快感のある味わいを楽しめます。

 

日本酒とスパイスのおすすめペアリング

日本酒もスパイスもさまざまな種類があるため、どのように組み合わせたらよいか悩んでしまいますよね。

ここでは、日本酒とスパイスのおすすめのペアリングについて見ていきましょう。

純米酒×スパイスカレー

純米酒には、スパイスカレーを合わせるのがおすすめです。醸造アルコールを添加せず、米と米麹、水のみで造られる純米酒は、米本来のふくよかな旨みやコク、香りを感じられます。

米に合う料理との相性が非常に良いため、スパイスカレーともよくマッチして、カレーとお米の旨みを引き立ててくれます。

食中酒としてカレーと共に味わうのはもちろん、ラッシーのような感覚で食後に楽しむのもおすすめです。

熟成酒 × 中国系のスパイス

長期間熟成させた「熟成酒」は、とろりとした舌触りと複雑でスパイシーな味わいを感じられ、スパイス料理とよく馴染みます。

中でもおすすめは、中国系のスパイスです。八角やシナモンや陳皮など5種類のスパイスからなる中国のミックススパイス「五香粉(ウーシャンフェン)」は、ほのかに甘くエキゾチックな香りで、炒め物や揚げ物、煮込み料理など幅広い料理をおいしく仕上げてくれます。

熟成酒のなめらかでコクのある濃厚な味わいと相性抜群です。

新酒うすにごり × 山椒

11月下旬〜12月頃に市場に出回る新酒の「うすにごり」は、山椒との相性が抜群です。

うっすらと固形物が混じったうすにごりは、新酒ならではのフレッシュな若々しさと共に、フルーティーな香りとやわらかな甘み、まろやかな旨みを感じられます。

山椒を合わせることで、山椒特有の爽やかな香りとほのかな辛味が鼻に抜け、さっぱりと味わえます。

 

日本酒とスパイスのペアリングで新たなおいしさを発見

今回は、スパイスの役割や、日本酒とスパイスのおすすめペアリングについてご紹介しました。

身体の芯から温まるスパイス料理は、寒さの厳しい冬にぴったりです。日本酒とスパイスを組み合わせることで、普段と少し違う新鮮なおいしさを発見できるでしょう。

燗酒から冷酒までさまざまな楽しみ方があるため、ぜひスパイス料理と共に味わってみてください。