甘口から辛口、ずっしり濃厚な味わいのものや華やかでフルーティーなものまで、バラエティ豊かで奥が深い日本酒の世界。さまざまな日本酒を味わい自分の好みに合ったものを見つける飲み比べは、日本酒の楽しみ方のひとつです。そこで今回は、日本酒の飲み比べを楽しむポイントやおすすめの方法についてご紹介します。
日本酒の飲み比べを楽しむポイント
さまざまな味わいや香りの日本酒を一度に楽しめる飲み比べですが、「いろいろな日本酒を一度に飲み過ぎて、味がよく分からなくなった」「飲み過ぎて悪酔いした」といった失敗談もよくあります。ここでは、日本酒の飲み比べを楽しむポイントをご紹介します。
飲みすぎに注意する
日本酒の飲み比べでまず注意したいのが、飲みすぎです。飲みすぎるとアルコールを分解するためにたくさんの亜鉛が使われ、味覚が鈍くなります。
せっかくおいしい日本酒を飲み比べていても、味覚が鈍ると味や香りの繊細な違いを感じ取りにくくなってしまいます。自分の飲める量を把握し、日本酒の合間にはチェイサーとして和らぎ水を一緒に飲みましょう。和らぎ水は日本酒と同量、もしくは倍量を飲むのが目安です。
香りや味わいの違いを意識する
飲み比べの際は、日本酒それぞれの香りや味わいの違いを意識してみましょう。精米歩合や原料などの条件を満たした日本酒は「特定名称酒」と呼ばれ、大きく「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」の3種類に分類されます。
華やかでフルーティーな吟醸酒、お米由来のふくよかな香りと味わいが特徴の純米酒、雑味がなくスッキリとした辛口のものが多い本醸造酒と、それぞれ異なる個性があります。ラベルを見てどの種類の日本酒かをチェックし、味や香りの違いを体感するのも飲み比べの魅力です。銘柄の写真やメモをとっておくと、後からどんな味だったかを思い出すときに役立ちます。
温度を変えてみる
日本酒は、飲む温度帯によっても香りや味わいの感じ方が異なるお酒です。同じ日本酒で温度を変えて飲んでみるのも、飲み比べの楽しみのひとつです。
一般的には、温度が高くなると甘みや旨みを感じやすく、香り豊かでまろやかになります。反対に温度が低くなると、甘みが抑えられさっぱりと引き締まった印象になり、苦味を感じやすくなります。冷酒、冷や(常温)、燗酒といろいろな温度帯を試し、好みの飲み方を見つけてみましょう。
酒器にこだわる
日本酒を飲む酒器には徳利やお猪口、グラスなどさまざまなものがあり、どの酒器を選ぶかで、味わいや香りにも大きく影響します。日本酒の飲み比べでは酒器にこだわることで、日本酒それぞれの繊細な味わいの違いをより感じ取りやすくなります。
おすすめは「利き猪口」と呼ばれる利き酒の時に使うお猪口です。白い磁器でできており、底に蛇の目と呼ばれる青い二重丸の模様が入っているのが特徴です。口が当たるふちの部分は薄く、日本酒そのものの色合いや香り、味わいを感じやすいような造りになっています。日本酒の飲み比べにはぴったりの酒器です。
日本酒の飲み比べの方法は?
では日本酒の飲み比べをするには、どんな方法があるのでしょうか。日本酒初心者の方や「どの日本酒を選べばよいか迷ってしまう」という方には、複数の日本酒がセットになった「飲み比べセット」を活用するのがおすすめです。居酒屋や日本酒専門店で注文するほか、自宅に取り寄せて楽しめるセットも販売されています。
自分で日本酒を用意する場合は、小容量のボトルのものを選びましょう。日本酒は一度開栓すると、味わいの変化が進んで劣化したり雑菌が繁殖したりする可能性があります。おいしい内に飲み切れるサイズを選ぶと安心です。同じ酒蔵の日本酒で揃えたり、辛口と甘口の日本酒を飲み比べたり、テーマを決めて日本酒を選ぶと飲み比べの楽しさが広がります。
新たなおいしさと出合える日本酒の飲み比べ
今回は、日本酒の飲み比べを楽しむポイントやおすすめの方法についてご紹介しました。いつも同じ日本酒を楽しむのも良いけれど、マンネリ化してきてしまうもの。たまにはさまざまな種類の日本酒を飲み比べて、より好みの味わいや飲み方を見つけてみるのも楽しいです。