見た目も味わいもバリエーション豊かな日本酒。日本酒初心者の方だと、どのように自分好みの味わいを見つけたらよいのか悩んでしまいますよね。そこで今回は、日本酒をお店で飲むときの上手な頼み方とポイントをご紹介します。
日本酒の頼み方の基本ステップ
まずは、日本酒の頼み方の基本ステップを見ていきましょう。
日本酒の種類・銘柄を選ぶ
日本酒は、製造方法によってさまざまな種類に分類されます。それぞれ香りや味わいの特徴も大きく異なるため、好みに合ったものを選びましょう。
吟醸酒とは、米と米麹、水に醸造アルコールを加えた原料で造られた、精米歩合が60%以下の日本酒です。吟醸酒、大吟醸酒などが吟醸酒に分類されます。低温で長期間かけて発酵させる「吟醸造り」という製法で造られており、フルーティーで華やかな香りと、すっきりとした繊細な味わいが特徴です。
純米酒とは、醸造アルコールが添加されておらず、米と米麹、水のみで造られた日本酒です。純米酒、特別純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒などが純米酒に分類されます。米本来の旨味やコク、ふくよかなお米の甘味を楽しめます。
本醸造酒とは精米歩合70%以下の米や米麹、醸造アルコール、水を原料にして造られた日本酒です。精米歩合60%以下の米を使ったものは、「特別本醸造酒」と表示されます。香りや風味は純米酒に近く、純米よりも淡麗でさらりとした味わいのものが多いです。特別本醸造酒はさらに米を磨いているため、雑味がなくすっきりとした味わいになります。
これらは原料や製法によって分類された「特定名称酒」というものです。 特定名称酒に含まれない日本酒は、「普通種」と呼ばれます。比較的リーズナブルなため、気軽に楽しめるのが魅力です。
日本酒の量(酒器)を選ぶ
お店で日本酒を注文する際は、量も伝える必要があります。よく使われるのは「一合 (いちごう)」と「ボトル」です。
一合は180mlで、一般的なコップに注ぐ量です。一合をグラスに注いで提供される場合と、徳利で提供される場合があります。半合(90ml)や二合(360ml)などのサイズが選べるお店もあります。ボトルは一般的に四合瓶を指し、720mlです。大人数で飲む場合にはシェアしやすくおすすめです。
味見をしたいときは半合のグラス、少しずつシェアしたいときは一合の徳利、たっぷり味わいたいときはボトル……というように、場面に応じて適した量や酒器を選ぶと良いでしょう。
お店によっては、升の中に置かれたグラスになみなみと注がれた「もっきり」というスタイルを選べることもあります。
日本酒の飲み方(温度)を選ぶ
日本酒は、同じお酒でも飲む温度によって香りや味わいが変わる世界でも珍しいお酒です。温度ごとに呼び方も異なり、30℃以上の温かい状態だと「燗酒(かんざけ)」、 20℃前後の常温だと「冷や(ひや)」、10℃前後の冷えた状態だと「冷酒(れいしゅ)」と呼ばれます。
日本酒は、温めるとお米由来の香りや旨味が増して重厚感のある味わいになります。反対に冷やすと、爽やかな香りとすっきりとした味わいになります。初心者の方はまずは冷酒を選ぶと、独特のクセが抑えられて飲みやすいです。銘柄ごとにいろいろな温度を試して、好みの味わいを見つけてみましょう。
お店で日本酒を頼む際のポイント
料理と日本酒をよりおいしく楽しむために、料理との相性の良い日本酒を選びましょう。さっぱり系の料理にはフルーティーな薫酒、味が濃くこってりとした料理には熟酒や醇酒、素材を活かした料理には爽酒などを組み合わせるのがおすすめです。
とはいえ、日本酒初心者の方にとってはどれを選べばよいか悩むことも多いでしょう。悩んだ時は、店員さんにおすすめを聞くのが一番です。食べたい料理や、日本酒の味の好みを伝えて、おすすめの日本酒を選んでもらいましょう。好みの銘柄が見つかったら覚えておくと、次におすすめを聞くときに好みの味わいを伝えるのに役立ちます。
また、日本酒を頼む際は「和らぎ水」も一緒に注文しましょう。和らぎ水とは、日本酒と一緒に飲む水のことです。和らぎ水には、酔いのスピードを遅くして二日酔いや脱水症状を防いだり、口の中をリフレッシュして次の一口をより味わいやすくしたりする役目があります。
上手な頼み方をマスターして日本酒をもっと楽しもう
今回は、日本酒をお店で飲むときの上手な頼み方とポイントをご紹介しました。聞き馴染みのない単語も多く、難しく思われがちな日本酒の頼み方。しかし基本さえ抑えれば意外と簡単です。分からないことは店員さんに尋ねながら日本酒の知識を深め、好みの味わいを見つけましょう。