日本酒と焼酎は、どちらも世界に誇る日本の伝統的なお酒です。見た目は似ていますが、実は違いもたくさんあります。「普段何気なく口にしているけれど、 何が違うかはよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、日本酒と焼酎の違いについて詳しくご紹介します。
日本酒と焼酎の違いとは
ここでは製造方法、原料、アルコール度数、風味、飲み方、糖質量の6つのポイントから、日本酒と焼酎の違いを見ていきましょう。
製造方法の違い
日本酒と焼酎の決定的な違いは、製造方法にあります。日本酒は「」日本酒は「醸造酒」、焼酎は「蒸留酒」に分類され、それぞれ製造方法が大きく異なります。
醸造酒とは、穀物や果物などの原料に含まれる糖を、酵母によってアルコール発酵させたお酒を指します。ワインやビールも醸造酒のひとつです。日本酒は米を原料として造られますが、米には糖分が含まれていません。そのため米のデンプンを麹で分解して糖化し、その糖分をアルコール発酵させます。
蒸留酒とは、醸造酒を加熱して気体にして、それを冷やして再び液体に戻す「蒸留」という工程を経たお酒を指します。焼酎は、米などに含まれるデンプンを麹と酵母でアルコール発酵させるところまでは日本酒と同じですが、その後蒸留させて完成させます。焼酎のほか、泡盛、ウイスキー、ブランデー、ジン、ウォッカ、テキーラなどが蒸留酒に分類されます。
原料の違い
日本酒は、米を原料として造られます。対して焼酎は、米だけでなく芋類や麦、蕎麦、黒糖などの穀物類なども原料として使われます。芋を原料としたものは「芋焼酎」、麦は「麦焼酎」、米は「米焼酎」とそれぞれ呼ばれます。
また日本酒では「酒造好適米」と呼ばれる酒造りに適した米を使用しますが、焼酎では一般的な一般的な飯米を使用します。麹菌にも違いがあり、日本酒と焼酎ではそれぞれ種類の異なる麹菌を使用します。日本酒では主に黄麹菌、焼酎では黒麹菌や白麹菌などが使われます。
アルコール度数の違い
日本酒と焼酎では、蒸留して造られる焼酎の方がアルコール度数が高くなります。それぞれのアルコール度数は、酒税法で上限が決められています。
日本酒はアルコール度数22度未満と定められており、現在市場に流通している日本酒は15~16度程度のものが多いです。焼酎は連続式蒸溜焼酎(甲類焼酎)が36度未満、単式蒸溜焼酎(乙類焼酎)が45度以下と定められており、一般的な焼酎では20度や25度のものが多いです。
飲み方の違い
アルコール度数の違いから、飲み方にも違いがあります。日本酒はそのままストレートで飲むのが一般的で、冷酒や冷や、お燗とさまざまな温度帯で楽しめます。一方で焼酎はアルコール度数が高いため、そのまま飲むよりも氷を入れてロックにしたり、水やお茶、炭酸などで割ったりすることが多いです。
風味の違い
日本酒の風味は種類によって差はあるものの、米を原料として作られているため、米特有の甘み、まろやかな味わいを感じられるものが多いです。
一方焼酎は、アルコール度数が高いため、全体的にはアルコール感が強くスッキリとした味わいのものが多いです。さまざまな原料で作られているため、 原料によって味わいの特徴は異なります。例えば麦焼酎はフルーティーでスッキリと飲みやすい味わい、芋焼酎は芋独特の甘い香りとやさしい味わい、米焼酎はふくよかで濃厚な味わい……などそれぞれ異なる魅力があります。
糖質量の違い
糖質量は、日本酒が100mlあたり平均3.6g含まれており、焼酎(乙類)は0gです。糖質制限をしている方やダイエット中の方は、焼酎を選ぶと良いでしょう。
似ているようで違う日本酒と焼酎
今回は、6つのポイントから見る日本酒と焼酎の違いについてご紹介しました。同じ日本で生まれたお酒でも、日本酒と焼酎では製造方法も味わいも大きく異なります。違いを知ることで双方への理解が深まり、よりおいしく楽しめるはず。その日の気分や好みに合わせて、飲み分けてみてください。