お酒が好きでも「日本酒の強いアルコール感や独特の風味が苦手」という方は多いのではないでしょうか。日本酒は、種類や飲み方によって印象が大きく変わるお酒です。日本酒初心者や苦手な方でも飲みやすい日本酒も多くあります。そこで今回は、飲みやすい日本酒の種類や楽しみ方についてご紹介します。
日本酒が苦手でも飲みやすい日本酒の種類
日本酒と一口に言っても、製法や原料によってその種類は多岐にわたります。日本酒にあまり馴染みのない方だと、どれが飲みやすいのか悩んでしまいますよね。ここでは、日本酒が苦手でも飲みやすい日本酒の種類を見ていきましょう。
米だけで造られた「純米酒」
日本酒初心者の方には、米だけで造られた「純米酒」がおすすめです。日本酒初心者の方で多いのが、「日本酒のアルコール臭が苦手」というパターンです。
日本酒のアルコール臭のもとは、品質維持のために加えられた醸造用アルコール。醸造用アルコールとは、主にサトウキビからとれる糖蜜やトウモロコシなどを原料として造られる純度の高いアルコールのことで、すっきりとキレのある味わいが特徴です。
純米酒には醸造用アルコールが加えられていないため、アルコール臭が抑えられ、米本来の旨味や深いコクを味わえます。また、甘口やフルーティーな日本酒を選ぶのもおすすめです。いわゆる「お酒感」が和らぎ、軽やかで飲みやすくなります。
すっきりとした飲み口の「吟醸酒」や「大吟醸酒」
「日本酒独特の甘ったるい感じが苦手」という方には、吟醸酒や大吟醸酒を選ぶのがおすすめです。日本酒の甘味は、酒米の雑味によるものです。
米は中心部と表層部とで含まれる栄養素が異なり、表層部にはタンパク質やビタミンなどの栄養素が多く含まれます。これらは日本酒の旨みや甘味に関わる成分ですが、多すぎると雑味になります。吟醸酒や大吟醸酒は、雑味のもととなる米の外側を大きく削り取って醸造した精米歩合の高いお酒です。そのため雑味が少なく、水のように透明でクリアな飲み口を楽しめます。
味わいの濃い「原酒」は避ける
日本酒の味わいの濃さが苦手な方は、「原酒」と呼ばれる日本酒は避けた方が良いでしょう。一般的な日本酒では、できあがったお酒に水を加えてアルコール度数が15度前後になるよう調整する「割水」という工程を経て完成します。
原酒は水を加えず、そのままの状態で完成した日本酒のことです。アルコール度数が高く、日本酒独特の濃厚な香りと味わいを感じられます。しかし日本酒初心者や苦手な方にとっては飲みづらく感じやすいため、まずは加水された日本酒から味わいに慣れるか、カクテルベースとして原酒を楽しむのがおすすめです。
おすすめの日本酒の楽しみ方
日本酒を存分に楽しむためには、どの日本酒を選ぶかだけでなく、料理とのペアリングや飲む温度、飲み方も重要なポイントです。何と合わせたら良いのか悩んだ時は、「米に合う料理か」を考えると分かりやすいです。
日本酒は米を原料としているため、米に合う料理であれば日本酒とも相性よく楽しめます。中でもおすすめなのが、チーズや醤油や味噌、塩辛などの発酵食品です。食材のアミノ酸と反応し、日本酒の旨みがさらに引き立ちます。
また日本酒は温度帯によって風味が異なって感じられるお酒なので、飲む温度によって飲みやすくなります。基本的に温度が高いほどお米本来の甘味や旨みを感じやすくなり、温度が低いほど甘味が抑えられすっきりと飲みやすくなります。日本酒独特の風味が苦手な方は、冷やして飲むのがおすすめです。
日本酒を単体で飲むだけでなく、割って飲むのもひとつの手です。好きな飲みものや旬のフルーツで「日本酒カクテル」、爽やかな炭酸水で「日本酒ハイボール」など、バリエーション豊かに楽しめます。
日本酒が苦手でも飲み方次第で楽しめる!
今回は、飲みやすい日本酒の種類や楽しみ方についてご紹介しました。日本酒の楽しみ方は人それぞれ。苦手意識を持っている方でも、種類や飲み方が変われば意外とおいしく楽しめるかもしれません。