若い女性や日本酒を飲み慣れていない方にも広く愛されるスパークリング日本酒。その華やかな味わいと見た目さから、普段の晩酌はもちろん、パーティーやおもてなしの席、手土産などとしても重宝します。今回は、スパークリング日本酒を選ぶコツやおいしい楽しみ方をご紹介します。
スパークリング日本酒とは
スパークリング日本酒とは、炭酸を含んだ発泡性のある日本酒のことです。シュワシュワとした爽快な口当たりと、軽やかでスッキリとした後味が特徴です。一般的な日本酒と比較すると甘めの味わいのものや、アルコール度数が低いものが多く、日本酒初心者の方でも飲みやすいことも魅力のひとつです。
スパークリング日本酒の選び方
味わいも見た目もバリエーション豊富なスパークリング日本酒。どれを選べば良いのか悩んでしまいますよね。そこでここでは、好みのスパークリング日本酒に出合うための選び方のコツをご紹介します。
発泡感の違いを選ぶ
スパークリング日本酒には、製法によって「活性にごり酒」、「瓶内二次発酵」、「炭酸ガス注入タイプ」の3タイプに分類されます。それぞれの製法により泡のキメ細かさや強さが異なるため、好みの発泡感から選ぶのもおすすめです。
活性にごり酒は、醪を目の粗い布に濾して、火入れという加熱殺菌をせず、酵母が活動できる生きた状態で瓶詰めしたものです。液体中の固形分が多く白く濁っています。瓶の中で発酵が進んで炭酸ガスが発生します。とろりとした口当たりとなめらかな泡立ちが特徴です。
瓶内二次発酵は、発酵中の醪を粗く搾り、火入れせずに酵母が生きた状態で瓶詰めし、瓶の中で2回目の発酵をさせ、炭酸ガスを発生させる製法です。蔵によっては、瓶詰めする際に新たに酵母や糖などを加えて二次発酵を促すこともあります。シャンパンの生産方法としても知られることから「シャンパーニュ方式」とも呼ばれます。酵母の自然な発酵力を利用しているため、きめ細やかで穏やかな発泡感が特徴です。
炭酸ガス注入タイプは、一般的な炭酸飲料と同様に炭酸ガスを注入して作られるタイプのスパークリング日本酒です。発酵はすでに止まっているためガス圧はよわめです。比較的価格は手ごろで、スッキリと爽快感がある飲み口が特徴です。
辛口や甘口など日本酒度で選ぶ
日本酒度とは日本酒に含まれる糖分の量を数値化したものです。一般的に、この数値がマイナスになるほど甘口、プラスになるほど辛口とされています。辛口の日本酒は、シャープな口当たりでスッキリとした味わいです。
甘口の日本酒はやわらかな口当たりで、飲んだ後はお米の上品な甘味が広がります。スパークリング日本酒は、甘口タイプのお酒が多いです。ラベルに「+3」「-1」などと記載されているため、好みの味わいを探す基準のひとつとなります。
アルコール度数で選ぶ
日本酒の平均的なアルコール度数は、15〜16%程度です。しかしスパークリング日本酒はアルコール度数が10%前後と低めのものが多い傾向にあります。お酒が弱い方や日本酒初心者の方はアルコール度数が低め、しっかりとした飲みごたえを楽しみたい方はアルコール度数が高めのものを選ぶと良いでしょう。
スパークリング日本酒のおいしい飲み方
スパークリング日本酒をおいしく味わうためには、開栓前に一番の魅力である泡が抜けてしまわないように注意が必要です。保管時は瓶を揺らしたり振ったりせずに冷蔵庫で静かに冷やし、開栓するときは泡が吹き出さないようゆっくりと開けましょう。
またスパークリング日本酒ならではの泡立ちを楽しむべく、グラスにこだわるのもポイントです。細長いシャンパングラスだと、繊細な泡を美しく演出してくれます。
スパークリング日本酒の爽快感を堪能して
今回は、スパークリング日本酒を選ぶコツやおいしい楽しみ方をご紹介しました。シャンパンのようにおしゃれで、広い層に愛されるスパークリング日本酒。製法によって発泡感が異なり、さまざまな味わいを楽しめます。
スパークリング日本酒にはぜひアルコール度数が低いものや甘口のものも多いため、日本酒初心者の方もぜひ挑戦してみてください。