さまざまな温度帯でも楽しめることは、日本酒の大きな魅力のひとつです。いよいよ本格的な寒さとなってきたこの季節。冬ならではの日本酒の楽しみ方で、心身ともに温まりませんか。今回は、冬におすすめの日本酒と楽しみ方、アレンジ方法をご紹介します。
冬におすすめの日本酒の楽しみ方
ここでは、冬におすすめの日本酒の楽しみ方を見ていきましょう。
「しぼりたて」や「新酒」を味わえる
冬は、「しぼりたて」や「新酒」を味わえる季節です。日本酒造りには「酒造年度(醸造年度)」という1年の区切りがあり、7月1日から翌年の6月30日までを1年としてカウントします。
秋に収穫された新米を使って日本酒を仕込み、12月〜翌年1月に初めてしぼられます。そこでできた日本酒を「新酒」と呼び、しぼったまま火入れや貯蔵をせずに出荷するものが「しぼりたて」です。またその中でも、最初に仕込み、最初にしぼったものは「初しぼり」と呼ばれます。
新酒はフレッシュな状態で出荷されるため、あまり熟成が進んでいません。口の中で弾けるような感覚や心地良いほろ苦さ、若々しい味わいを楽しめます。
「燗酒」で心身を温める
冬の日本酒の楽しみ方といえば、「燗酒(かんざけ)」が定番です。燗酒とは、温められた日本酒全般のことを指します。温める温度によりさらに細かく分類され、50℃程度に温められた日本酒は「熱燗」、40℃が「ぬる燗」、45℃が「上燗(じょうかん)」と呼びます。
日本酒に含まれるアミノ酸や乳酸など旨味成分は、適度に温めることで活性化します。また燗酒にすることで、甘味が強まり、苦味と辛味が弱まる傾向があります。じんわりと身体を温めながら、マイルドでコク深い味わいを楽しめることが燗酒の魅力です。
「雪見酒」で風情を感じる
雪が降った日には、「雪見酒」で風情を感じるのも冬ならではの醍醐味です。雪見酒とはその名の通り、雪が降る景色を眺めながら日本酒を楽しむことです。幻想的な雪景色をつまみに燗酒をじっくりと楽しむ時間は、日本の風情を感じられます。
日本酒の名産地では雪が降る地域も多いため、温泉宿の露天風呂に入りながら雪見酒……というイメージを抱く方も多いかもしれません。旅先で雪見酒を堪能するのも良いですが、自宅の窓際から雪を眺めながらゆったりと楽しむのも贅沢なひとときです。
冬に飲みたい日本酒アレンジ
日本酒をそのまま飲むだけでなく、冬にぴったりなアレンジをして楽しむのもおすすめです。
たとえば、冬の食卓に登場しがちなおでんの出汁で日本酒を割った「出汁割り」があります。シンプルな組み合わせながら、日本酒に旨みをプラスして心身に染み渡るおいしさです。
日本酒と緑茶を同量で割った「緑茶割り」は、ほっと一息つきたいときにぴったりです。緑茶の爽やかな香りで、さっぱりとした味わいになります。
ホットチョコレートに日本酒を入れるのも相性抜群です。チョコレートには、濃厚な甘みと熟成した酸味が特徴の熟酒がよく合います。少し大人のデザート感覚で楽しめて、自宅で過ごすバレンタインにもおすすめです。
風邪が流行するこの季節は、風邪予防として「卵酒」や「生姜酒」も良いでしょう。卵や生姜は、身体を温め、免疫力をアップする効果が期待できます。温めた日本酒に溶きほぐした卵を加え軽くかき混ぜ、お好みで砂糖や生姜を加えたら完成です。身体がポカポカしてリラックスできるため、疲れを感じたときやなかなか眠れないときにもおすすめです。
冬こそ日本酒を楽しもう
今回は、冬におすすめの日本酒と楽しみ方、アレンジ方法をご紹介しました。厳しい寒さが続くと外に出るのも憂鬱になりますが、日本酒を楽しむには絶好の季節です。冬ならではの新酒の味わいを楽しむもよし、日本酒アレンジに挑戦するもよし。お家でまったりと、冬の日本酒を楽しんでみてください。