ビールの誕生は紀元前4000年以上前にまで遡ると言われ、古代からビールは人々に親しまれてきました。
歴史の中でさまざまなビールが生まれ、現在では100種類以上ものビールが存在します。
ビールの種類は、「ラガービール」と「エールビール」の大きく2つに分けられます。今回は、エールビールの特徴と歴史、種類についてご紹介します。
エールビールとは
「エールビール」と「ラガービール」の違いは、発酵方法です。ラガービールは「下面発酵」、エールビールは「上面発酵」で造られます。
下面発酵では、5度前後の低温で7~10日かけて発酵させ、約1か月熟成させます。ラガービールは、すっきりと飲みやすく、爽快な喉ごしを楽しめるのが特徴です。
対して上面発酵は、15℃~20℃のやや高温で3~4日かけて発酵させ、約2週間熟成させます。エールビールは、フルーティーで豊かな香りと、芳醇でコクのある味わいが特徴です。個性豊かで飲みごたえのあるエールビールは、ワインのようにじっくりと味わう飲み方が向いています。
エールビールの歴史
日本で流通しているビールの9割以上はラガービールと言われており、日本人にとってはエールビールはあまり馴染みのない存在です。しかし歴史が古いのは、実はエールビールの方です。
エールの発祥の地はイギリスで、その歴史は古代ローマ帝国の統治下にあった5世紀ごろにさかのぼります。
ケルト民族が飲んでいた蜂蜜酒の代わりとして「エール」と呼ばれる穀物酒が生まれ、アングロサクソン人によってイギリス全土へと広まっていきました。
上面発酵は雑菌の繁殖のリスクがあるものの、イギリスの気候は夏は涼しく冬は温暖で、エールの製造には最適です。
家庭では主婦によってエールビールが造られ、自家醸造のビールが一家の貴重な収入源だったといわれています。
12世紀ごろになると専業のビール醸造業者が現れ、ますます広くエールが楽しまれるようになりました。
ラガービールは中世以降に始まり、雑菌が繁殖しにくく製造管理がしやすいことから世界に広まります。
しかしラガーが普及してからもイギリスやベルギーではエールが好まれ、今でも多くの人に愛されています。
エールビールの種類
エールビールと一口にいっても、その種類は多岐にわたり、個性豊かな味わいがあります。ここでは、その中でも有名なエールビールの種類について見ていきましょう。
ペールエール
ペールエールはクラフトビールの代表的なスタイルで、ホップの豊かな香り、モルトのコクを感じられる味わいが特徴です。ペールは「淡い」を意味し、それまで飲まれていたビールと比較して淡い色だったことからこの名前が付けられました。
IPA
IPAの正式名称は「インディアンペールビール」です。ペールエールをインドに輸送する際、劣化を防ぐためにホップを大量に加えて造られたことが始まりと言われています。ペールエールよりもアルコール度数が高く、ホップの苦味と香りが効いたパンチのある味わいが特徴です。
スタウト
スタウトは、アイルランド発祥の黒ビールの一種です。ローストした大麦を原料に使用しており、ナッツやチョコレート、コーヒーのような独特の苦味とコクがあります。
ヴァイツェン
ヴァイツェンは、ドイツ発祥の伝統的な白ビールです。ヴァイツェンはドイツ語で「小麦」を意味し、小麦麦芽を50%以上使用して造られます。小麦麦芽のたんぱく質が多いため、白く濁っており泡立ちが豊かです。バナナのようなフルーティーな香りと、苦味が少なくまろやかな口当たりが特徴です。
古代から人々に愛されてきたエールビール
今回は、エールビールの特徴と歴史、種類についてご紹介しました。
同じビールと言えど、日本人に馴染み深いラガービールとエールビールでは、香りも味わいも大きく異なります。
エールビールのフルーティーでコクのある味わいは、一度口にするとハマること間違いなしです。ぜひじっくりと味わってその魅力を感じてみてください。