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純米酒とは。特徴やおすすめの楽しみ方をご紹介


原料や製法によって、味わいも香りも多種多様な日本酒。中でも米と米麹、水のみを原料として造られる「純米酒」は、米由来のふくよかな旨みと甘みを楽しめる日本酒です。

今回は、純米酒の特徴や楽しみ方についてご紹介します。

 

純米酒とは

日本酒は、「純米酒」「本醸造酒」「吟醸酒」「普通酒」の大きく4種類に分けられます。お米の精米歩合や原料などの条件を満たした日本酒は「特定名称酒」と呼ばれ、純米酒、本醸造酒、吟醸酒がこれに該当します。

純米酒は、アルコール添加がなく、米と米麹、水のみを原料として造られたお酒です。

 

純米酒の特徴

純米酒の大きな特徴は、米本来の旨みや甘みをしっかりと味わえる点です。香りは穏やかで、深いコクを感じられるものが多いです。

純米酒の中でも、精米歩合や造り方によってさらに「純米酒」「特別純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」の4種類に分けられ、それぞれ風味が異なります。

精米歩合とは、玄米から表層部を削り、残った米の割合を%で示した数値です。

たとえば精米歩合50%だと、米の外側を50%削り、残った50%を原料として用いたということになります。

日本酒の原料である米は、芯と外側の部分でそれぞれ味や風味が異なります。

芯は旨みが凝縮されており、外側になるほど雑味が多くなる傾向があります。

つまり精米歩合が高いほど、米の外側の部分が多く取り除かれているため雑味が少なく、米本来の華やかな香りと味わいを感じられる仕上がりになります。

「純米酒」は通常は精米歩合70〜60%くらいの米を原料とした日本酒です。

「特別純米酒」は、精米歩合60%以下の米で造られたもの、または特別な醸造方法で造られた日本酒を指します。

特別な醸造方法かどうかは各蔵元の判断にゆだねられており、さまざまな醸造方法があります。

また、酒造好適米を100%使用して造られたものも特別純米酒に該当します。

「純米吟醸酒」は精米歩合60%以下の米を使用し、醸造アルコールを加えずに「吟醸造り」で造られた日本酒です。

吟醸造りは、低温でじっくり発酵させてかすの割合を高くして、「吟醸香」と呼ばれる特別な芳香をもつように仕上げます。

リンゴやパイナップル、バナナ、メロンなどの果物を思わせる、フルーティーで華やかな香りが特徴です。

「純米大吟醸酒」は精米歩合50%以下の米を使用し、吟醸造りで造られた日本酒です。

米の芯の部分を豊富に使っているため旨みが強く、香りと味わいのバランスの良い上品な仕上がりです。

 

純米酒の楽しみ方

純米酒をよりおいしく楽しむなら、温度にこだわってみましょう。純米酒の大きな魅力である米本来の風味を味わうなら、常温からぬる燗で飲むのがおすすめです。

ふくよかな旨みと甘みがダイレクトに口の中に広がります。暑い季節は冷酒で清涼感を引き立たせて、寒い季節は湯気とともに香りが広がる燗酒を楽しむのも良いでしょう。

しかし純米吟醸酒や純米大吟醸酒のフルーティーな香りは、温めすぎると抑えられてしまうため注意が必要です。

温める場合は、40℃くらいの「ぬる燗」、45℃くらいの「上燗」あたりで留めておきましょう。

また純米酒はお米に合う料理全般と合うため、食中酒としてぴったりです。和食だけでなく、中華や洋食など多彩な料理と一緒に楽しめて、組み合わせ次第でおいしさの相乗効果を得られます。

中でも、こってりとした濃厚な味付けの料理や旨みの強い料理との相性は抜群です。すき焼きやブリ大根、角煮などの煮込み料理、肉料理などと合わせて楽しむのがおすすめです。

 

米のふくよかな旨みと深いコクが魅力の純米酒

今回は、純米酒の特徴や楽しみ方についてご紹介しました。米と米麹、水のみを原料として造られる純米酒は、米の自然な旨味やコクを感じられ、さまざまな料理とよく合います。

そのまま飲むのはもちろん、食中酒としてペアリングを楽しむのもおすすめです。