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痛風でも日本酒は飲んで良い?痛風の原因と上手な付き合い方


「風が吹いただけでも身体が痛む」と言われるほど、激しい痛みに苦しめられる痛風。日本酒好きな方にとっては、「痛いのは嫌だけど、日本酒を我慢するのも辛い…」とジレンマに悩まされてしまいますよね。

そこで今回は、痛風の症状や原因、上手に付き合って日本酒を飲む方法についてもご紹介します。

 

痛風とは

そもそも、痛風とはどのような病気なのでしょうか。

痛風の症状

痛風の主な症状は、「痛風発作」と呼ばれる発作的に起こる激痛です。前日まで何の前触れもなく突然症状が現れ、2~3日は歩けないほどの痛みが続きます。痛みに伴い、関節が赤く腫れることもあります。その後、多くの場合は1~2週間で徐々に痛みは治まっていきます。

痛みの起こる場所は足の親指の付け根が最も多く、そのほか足首やくるぶし、膝、耳などに痛みがみられることもあります。通常痛みは一箇所に生じ、複数が同時に痛むことはあまりありません。

痛風の原因

痛風の原因は、尿酸という物質です。尿酸はもともと、どんな人の身体にも一定量あります。不要なプリン体が分解されて尿酸となり、通常は腎臓から尿中に混じって排泄されます。しかしプリン体を過剰摂取したり尿酸の排泄機能が追い付かなかったりすると、体内で結晶化します。この結晶が関節に沈着することで、痛風を引き起こします。

結晶が沈着する場所は関節だけではなく、その場所によってさまざまな病気のリスクを高めます。尿路に沈着すると尿管結石の原因となり、皮下組織や関節に沈着してコブを作ったり、腎臓に沈着して腎臓の働きを低下させたりすることもあります。

痛風は男性に多い病気で、プリン体が多く含まれる肉などの食品やビールなどアルコール飲料の摂り過ぎが主な発症要因です。暴飲暴食、肥満、激しい運動なども大きく影響します。

日本酒のプリン体の含有量

「お酒の飲みすぎで痛風になる」とはよく聞きますが、日本酒は痛風のリスクを高めるのでしょうか。日本酒のプリン体の含有量は、100mlあたり約1.2~1.5mgです。

ビールには100mlあたり約5mgのプリン体が含まれるため、ビールよりも日本酒を飲む方が痛風のリスクは低いと言えます。

 

痛風を予防する上手な日本酒の飲み方

痛風を予防しつつ日本酒を飲むなら、最も重要なのは「飲みすぎに注意すること」です。

成人が1日に摂取できるプリン体は400mg以内と言われています。この数値だけ見ると日本酒のプリン体含有量は大したことがないように思えますが、日本酒に含まれるアルコールには注意が必要です。

アルコールは、肝臓で尿酸が作られるのを促進して尿酸濃度を上げてしまいます。お酒の種類は問わずアルコールの量を調整し、ほどほどに楽しむことが大切です。

またお酒以外の食材にもプリン体は含まれます。野菜にも含まれますが、特に含有量が多いのはレバーや魚介といった動物性の食材です。

お酒だけでなく食事全体のバランスを意識して、プリン体の摂取量を調整しましょう。近年ではプリン体ゼロの日本酒も販売されているため、痛風が気になる方はこうしたものを選ぶのも良いでしょう。

 

痛風に気を付けてほどほどに日本酒を楽しもう

今回は、痛風の症状や原因、上手に付き合って日本酒を飲む方法についてもご紹介しました。

かつては富裕階級の人が贅沢な食生活を送ることでかかる「贅沢病」と呼ばれていた病気ですが、現代ではその患者数は年々増加しており、さらに「痛風予備軍」も多くいると言われています。

若い世代の患者も増えていることから、性別や年代問わずプリン体の過剰摂取には注意したいものです。