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無濾過生原酒の日本酒とは?特徴やおすすめの飲み方をご紹介


日本酒には、製造・出荷方法によってさまざまな種類があります。中でも近年、新しい日本酒のジャンルとして注目を集めているのが「無濾過生原酒」です。「無濾過」と「生」と「原酒」、3つのカテゴリに含まれる日本酒はどのような味わいなのか気になりますよね。そこで今回は、無濾過生原酒の特徴やおすすめの飲み方について詳しくご紹介します。

 

無濾過生原酒の日本酒とは

「無濾過」とは、製造過程の中で濾過を行っていない日本酒を指します。通常日本酒を作る際は、もろみを絞った後、細かいお米のカスやお酒の雑味を取り除くために濾過を行います。この工程を経て日本酒の色はクリアになり、味わいが調整されます。

無濾過の日本酒はデリケートな品質管理が必要なため、かつては一般的に流通していませんでした。近年では品質管理の技術向上などもあり、お店で目にすることも多くなりました。

「生酒」は、通常もろみを絞った後で行う「火入れ」と呼ばれる加熱処理を行わず、生の状態のまま出荷するものです。また一般的な日本酒では、アルコール分が13%~16%くらいになるよう水を加えて調整を行います。しかし「原酒」の場合は一切水を加えず、アルコール分が20%前後と高いままで出荷します。つまり無濾過生原酒とは、無濾過、火入れ、加水といった工程を行わずに作られた「できたてに近いフレッシュな日本酒」です。

無濾過生原酒の日本酒の見た目や味わい

無濾過生原酒は濾過を行っていないため、お酒の主成分が固まってできた結晶である「澱(おり)」が取り除かれません。そのため液体の色はクリアではなく、酒本来のやや黄色がかった色合いをそのまま残しています。

火入れや加水などを行っていない分、お米のふくよかな香りや力強い旨味をしっかりと残し、個性的で濃醇な味わいを楽しめるのが特徴です。フルーツを丸かじりしたような瑞々しさがあるのも、生酒ならではの魅力です。

無濾過生原酒の保存方法

無濾過生原酒の日本酒は、自然に生まれた成分をそのまま生かした繊細でフレッシュなお酒です。出荷された後もお酒の中で酵母や微生物が生き続けており、保存方法には注意が必要です。常温で放置すると日本酒の中の菌が活発に動いて味わいが変化するため、必ず10度以下の冷蔵庫に入れましょう。瓶を横にするとお酒が空気に触れる面が大きくなり、酸化しやすくなるため、なるべく縦にするのがおすすめです。開栓後は酸化が進み劣化しやすくなるため、本来の味わいを楽しむためには2~3日以内に飲み切るようにしましょう。開栓後に保管する場合は、瓶の中を真空状態にする道具を使うのもひとつの手です。

無濾過生原酒のおすすめの飲み方

無濾過生原酒の個性的な味わいを楽しむなら、冷酒よりも常温で飲むのがおすすめです。お米本来のふくよかな風味の輪郭を、よりしっかりと感じられます。

火入れをしない生のままのフレッシュさを活かすなら、冷酒で飲むのも良いでしょう。フルーティーな香りを感じつつ、口の中で常温に戻っていく過程で味わいの変化も楽しめます。無濾過生原酒はアルコール分が比較的高いですが、冷やすことですっきりと飲みやすくなります。ただ冷蔵庫で冷やすだけでも良いですが、オンザロックにするとアルコール度数が少し下がり、まろやかな口当たりになります。

無濾過生原酒の個性的な味わいを楽しもう

今回は、無濾過生原酒の特徴やおすすめの飲み方について詳しくご紹介しました。濾過、火入れ、加水による調整を行っていない無濾過生原酒の日本酒は、絞りたてそのままのフレッシュな味わいを楽しめる貴重なお酒です。ほかの日本酒にはない深い味わいを楽しみましょう。

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