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本格的なおいしさ!ノンアルコールビールの定義や製造方法について解説


車を運転するときや健康を考えてアルコールを控えたいとき、選択肢のひとつとなるノンアルコールビール。

「本物のビールと比べるとやはり味気ないのでは……」と思うかもしれませんが、最近はノンアルコールも進化しており、本物さながらの味わいを楽しめます。

今回は、ノンアルコールビールの定義や魅力、製造方法についてご紹介します。

 

ノンアルコールビールとは

そもそも、ノンアルコールビールはどういうものなのでしょうか。

 ノンアルコールビールの正式名称は、「ノンアルコールビールテイスト飲料」です。日本ではアルコール分が1%未満のビールテイストの飲料を指します。

酒税法ではアルコール度数が1度以上のものが「酒類」に分類されるため、ノンアルコールビールは酒類には含まれません。

しかし実情としては、0.1%程度であってもアルコールが含まれていれば「低アルコール」と表記されることが多いです。

かつてはアルコール度数が0%のものはなく、1%未満の低アルコールビールが主流でした。

2009年にキリンビールが発売した「キリン フリー」が、世界で初めてのアルコール度数0.00%のノンアルコールビールです。

その後、各メーカーからもさまざまノンアルコールビールが発売され、市場は大きく拡大していきました。比較的新しいジャンルではあるものの、近年の健康志向の高まりもあり、多くの人に親しまれています。

ノンアルコールビールの魅力

ノンアルコールビールが登場した当初は、「本物のビールとは味わいが違う」といった声が多く、ビール好きからはあまり支持されませんでした。

しかし近年では研究が重ねられ、味わいも香りもかなり本物のビールに近づけられています。本物さながらの味わいで脳が錯覚し、酔っているような感覚に陥ることもあるほどです。

0.00%のノンアルコールビールであれば、車を運転する方や妊娠・授乳中の方でも安心して飲むことができます。

「翌日に大切な予定がある」「健康が気になる」という方でも、気軽にビールを飲んだ気分を味わえるのも魅力です。

ノンアルコールビールの製造方法

ノンアルコールビールの製造方法は、大きく分けて以下の2つの方法があります。

  • ●発酵を抑える
  • ●完成したビールからアルコールを除去する

 ここでは、それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

発酵を抑える

日本では酒税法により、製造過程でもアルコール度数が1%を超えると酒類として認められてしまいます。

そのため日本のノンアルコールビールは、後述する方法よりもはじめから発酵を抑える方法で造られるのが一般的です。

発酵を抑えるには、麦汁に含まれる発酵可能な糖分の量を減らしたり、アルコールを生成しにくい特殊な酵母を使用したりする方法があります。

全ての発酵を0℃~5℃の低温で行うことでアルコールの発生を抑制する「コールドコンタクト法」もよく用いられます。

完成したビールからアルコールを除去する

完成したビールからアルコールを除去する「脱アルコール製法」という方法です。

通常通り発酵させて、完成したビールからアルコールのみを除去するため、味や香り、喉ごしは最もビールに近づけられます。

アルコールを除去するには、加熱してアルコールを蒸発させたり、フィルター濾過でビールの旨みを残しつつアルコールのみを取り除いたりする方法が用いられます。

日本ではまだ珍しいものの、海外のノンアルコールビールやノンアルコールワインの多くはこの方法で造られています。

本物さながらのノンアルコールビールを味わおう

今回は、ノンアルコールビールの定義や魅力、製造方法についてご紹介しました。

各メーカーの研究と技術の発展により生み出された、本物さながらの味と香りのノンアルコールビール。

どれだけ飲んでも悪酔いすることがないため、どんなシーンでも楽しめたり、食事をじっくりと味わえたりと、ノンアルコールビールならではのメリットも数多くあります。ぜひ選択肢のひとつとして楽しんでみてください。