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昔から愛され続ける組み合わせ。日本酒と梅干しの楽しみ方


汗をたくさんかく暑い日には、酸っぱい梅干しで塩分補給して口の中をさっぱりしたくなりますよね。実は梅干しと日本酒は相性抜群で、さまざまな組み合わせで古くから親しまれてきました。今回は、日本酒と梅干しの楽しみ方をご紹介します。

梅干しと日本酒はなぜ相性が良い?

どちらも日本人の食文化において重要な存在である梅干しと日本酒ですが、なぜ相性が良いのでしょうか。梅の実を塩漬けして作られる梅干しには、強い酸味と塩分が含まれています。この梅干しの味わいが、日本酒特有のふくよかな旨味をさらに引き立てます。日本酒には酸味や苦味は比較的少ないため、梅干しの味わいとぶつかることがなく、上手に調和してくれます。

また、日本酒と梅干しの組み合わせは二日酔い予防にも効果的です。梅干しに含まれる「ピクリン酸」や「ピルビン酸」などの成分が肝機能を向上させ、体内のアルコールの排出を促すことで、二日酔いを防ぎます。梅干しの酸味のもとである「クエン酸」も、胃腸や肝臓の細胞を修復し、疲労回復を助けます。

梅干しと日本酒の楽しみ方

梅干しはそのまま日本酒のおつまみとして食べるだけでなく、日本酒の中に入れたり「煎り酒」を作ったりさまざまな楽しみ方があります。ここでは、梅干しと日本酒の楽しみ方をご紹介します。

熱燗に梅干しを入れる

おちょこの中に梅干しを入れて、そこへ温めた日本酒を注いで、梅干し入りの熱燗を作ってみましょう。梅の香りがふんわりと漂い、温かい日本酒に酸味と塩味が染み渡ります。米と米麹のみを原料とする純米酒は体が冷えにくいと言われており、純米酒を使うことでより体の温まる一杯になります。

江戸時代の調味料「煎り酒」にする

「煎り酒」とは、醤油が普及する以前の室町時代から日本で広まり、古くから親しまれてきた調味料です。醤油の誕生とともに一度は姿を消したものの、近年また注目を集めています。原型は日本酒に梅干しを入れて煮立てて濾したもので、現代ではそこへ昆布やかつお節などを加えることで風味や旨味をアップさせています。わずかな塩分でしっかりとした旨味を感じられ、お刺身やおひたし、お豆腐などさまざまなお料理に合います。

梅干しを使ったおつまみと日本酒を楽しむ

梅干しを使ったおつまみは酸味と塩味が効いていて、日本酒との相性抜群です。そのままでしっかりと味がついている梅干しは、簡単な調理でもおいしいおつまみができるのが嬉しいポイント。種を取り除いた梅干しと鰹節を、スティック状に切ったキュウリと馴染ませれば、夏にぴったりのおつまみ「梅キュウ」に。茹でたささみにほぐした梅肉を合えただけでもさっぱりとおいしいおつまみになります。

日本酒により合う梅干しとは

ひとくちに梅干しといっても、日本酒と同様、材料や製法によりその味わいはさまざまです。せっかく日本酒と共に楽しむなら、より相性の良い組み合わせを選びたいですよね。

塩と赤じそで漬けた梅干し「赤じそ梅」は、キレ味のある辛口日本酒とよく合います。爽やかなしその香りが漂い、キリっと冷やした冷酒にもぴったりです。

甘酸っぱい「ハチミツ梅」は、ふくよかな味わいの日本酒と合わせるのがおすすめです。

塩だけで漬け込んだ王道の梅干し「白干し梅」は、どんな日本酒とも相性が良くオールマイティーに楽しめます。クセのないシンプルな味わいなので、日本酒そのものの風味を存分に楽しみたいときにおすすめです。

日本酒と梅干しを一緒に楽しもう

今回は、日本酒と梅干しの楽しみ方をご紹介しました。日本酒と梅干しは昔から日本人に馴染みのある組み合わせです。日本酒に入れたりおつまみにしたりと、さまざまな楽しみ方があります。

京仕込キンシ正宗では、創醸天明元年(1781年)より京都の水と酒米、そして麹造りにとことんこだわった酒造りを続けています。ぜひ好みの味わいの梅干しとともに、日本酒とのマリアージュを楽しんでみてください。