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日本酒×鍋でほっこり!鍋に合う日本酒と「酒鍋」の作り方


寒さが続く今日この頃。この時期ならではのご馳走と言えば、鍋ですよね。旬の食材の旨みがたっぷり溶け込んだ鍋は、日本酒との相性もバツグン。そのまま飲んでもおいしい日本酒ですが、調味料として使い「酒鍋」にするのもおすすめです。今回は、鍋に合う日本酒と酒鍋の作り方についてご紹介します。

鍋と日本酒はなぜ相性抜群?

鍋と日本酒は、なぜ相性が良いのでしょうか。その理由は、鍋と日本酒それぞれに含まれる「アミノ酸」という成分にあります。アミノ酸とはタンパク質を作るために必要な物質で、人が「旨味」と感じる味の元です。 日本酒は、焼酎やウイスキーなど他のお酒に比べてアミノ酸の含有量が高いお酒です。原料である麹に含まれる酵素が、米のタンパク質を分解する過程で多くのアミノ酸が生成されます。タンパク質は米粒の外側に多く含まれるため、米をあまり磨いていない精米歩合の数値が高い純米酒は特に多くのアミノ酸を含みます。日本酒の繊細なおいしさは、このアミノ酸の持つ旨味が甘みや酸味などとバランス良く合わさることで生まれるのです。 一方さまざまな具材を煮込んだ鍋も、アミノ酸が豊富な料理です。鍋の出汁としてよく使われる昆布や鰹節などにも、アミノ酸の一種である「グルタミン酸」や「イノシン酸」、「グアニル酸」が多く含まれます。日本酒と鍋、双方の旨味が合わさることで相乗効果でさらに旨味が際立ち、より一層おいしく楽しめます。

鍋に合う日本酒の選び方

日本酒も鍋も、その種類はとてもバリエーション豊富。どのような組み合わせで楽しめば良いのか悩みますよね。ここでは鍋に合う日本酒の選び方を見ていきましょう。

水炊きやしゃぶしゃぶなどシンプルな鍋

水炊きやしゃぶしゃぶ、白菜と豚肉のミルフィーユ鍋など、あまり具材がたくさん入っていないシンプルな鍋料理には、大吟醸・吟醸がおすすめです。果物のようにフルーティーな香りとスッキリとした味わいが魅力の大吟醸や吟醸は、シンプルな鍋の方がその良さがより際立ちます。

味噌鍋やもつ鍋など濃厚な鍋

味噌鍋やもつ鍋などの濃厚な鍋料理と合わせるには、あっさりとした日本酒だと風味が消えてしまいます。濃醇でふくよかな純米酒と共に、味わいにメリハリをつけて楽しむのがおすすめです。特に味噌鍋は、米本来の香りや味わいを楽しめる純米酒と相性バツグンです。味噌の旨みを膨らませ、うまく調和してくれます。もつ鍋には豊潤な旨味とキレを併せ持つ生原酒も合わせると、どっしりとした味わいに負けることなく双方の良さを活かせます。

火鍋やチゲ鍋などピリ辛系の鍋

火鍋やチゲ鍋などピリ辛系の鍋は、辛味や塩味が強いため味で負けないにごり酒がおすすめです。すっきりと後を引かない切れ味が魅力の本醸造酒もよく合います。クセが少なく飲み口も軽快で、味が濃い鍋と合わせることでどんどんお酒が進みます。

日本酒をたっぷり使った「美酒鍋(びしゅなべ)」もおすすめ

日本酒×鍋の組み合わせをより楽しむなら、日本酒をたっぷり使った「美酒鍋」を作るのもおすすめです。美酒鍋とは、広島県東広島市発祥の郷土料理のひとつ。酒蔵で働く「蔵人」たちの賄い料理として生まれ、次第に一般家庭にも広まり宴会料理としても親しまれています。 美酒鍋の作り方はとても簡単です。鶏肉、砂ずり、豚肉、野菜などの具材を、塩こしょうと日本酒のシンプルな味付けで煮込みます。日本酒がふわりと香り、あっさりとしながらも旨味たっぷりのおいしさです。食べる直前にコショウを多めに入れると、ピリッとした辛みがアクセントとなりより旨味が引き立ちます。

日本酒と鍋で心身ともにポカポカに

今回は、鍋に合う日本酒と酒鍋の作り方についてご紹介しました。日本酒と鍋は、旨味の相乗効果が期待できる相性バツグンの組み合わせ。身も心も温まりながら、ぐんぐんお酒が進みます。 京仕込キンシ正宗では、創醸天明元年(1781年)より京都の水と酒米、そして麹造りにとことんこだわった酒造りを続けています。凍えるような寒い日には、ぜひ鍋と共に格別な日本酒を楽しんでみてください。