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日本酒通なら知っておきたい!日本三大酒処とは?それぞれの歴史や特徴


日本三景や日本三大夜景など、日本にはさまざまな「日本三大〇〇」があります。日本酒にも全国各地に有名な酒処がありますが、「日本三大酒処」がどこかご存知でしょうか。今回は、三大酒処のそれぞれの歴史や特徴についてご紹介します。

日本三大酒処とは

日本三大酒処として挙げられるのは、兵庫県の「灘」、京都府の「伏見」、広島県の「西条」の3つの地域です。これらの地域の共通点は、日本酒造りで最も重要な豊かな水源と、良い酒米が揃う環境であること。いずれの地域でも古くから日本酒造りが行われ、現在でも歴史ある酒蔵が数多く存在します。

兵庫県「灘」

兵庫県の「灘」は、日本酒造りを目的として作られた好適酒造米「山田錦」の生産量が全国1位。名水百選にも選ばれている六甲山からの「宮水」も湧き出ており、日本酒造りに適した環境に恵まれています。「白鶴」や「菊正宗」といった有名な酒蔵もあり、言わずと知れた日本酒の名産地です。

灘の歴史

灘の酒造りの歴史は古く、1330年頃には既に醸造が行われていたという記録が残されています。室町時代には灘を中心とした地域の日本酒が高く評価されるようになり、現代でもこの時代に創業された酒蔵がいくつか残っています。江戸時代には華やかな町人文化の後押しもあり、日本酒の消費量は急激に伸び、灘の酒の人気は一気に高まっていきました。港が近い灘は、海上輸送で江戸へ日本酒を届けられたこともその要因のひとつです。

灘の日本酒の特徴

灘の宮水はミネラル分が多く含まれた硬水であることから、キリッとした辛口の日本酒が造られます。荒々しい舌触りから、「灘の男酒」とも呼ばれます。

広島県「西条」

広島県の「西条」には、酒類の醸造技術を科学的に研究する「酒類総合研究所」が日本で唯一存在する地域です。有名な酒蔵には、オバマ大統領が飲んだことで知られる「大吟醸 特製ゴールド賀茂鶴」を作る「賀茂鶴酒造」があります。

西条の歴史

西条の日本酒造りが始まったのは、江戸時代の終わり頃です。西条は日本酒造りには不向きな軟水が湧き出る地域で、もともと日本酒産業は難しいとされてきました。当時は灘の醸造方法を取り入れたものの、水の性質が異なるため上手くいきません。そこで水質の違いに気付き、「吟醸造り」と呼ばれる軟水での醸造方法を生み出したのが、三浦仙三郎氏です。吟醸造りは日本全国に広まり、現在でも使われています。明治中期になると西条の中心に鉄道ができ、日本酒産業が急激に発展。大正時代は「酒都西条」と呼ばれ、灘や伏見と並ぶ現在の日本三大酒処の地位を確立しました。

西条の日本酒の特徴

西条で造られる日本酒は、すっきりとしたシャープな飲み口のものが多く、硬水とは一味違ったきめ細やかな味わいが楽しめるのが特徴です。甘口、辛口、淡麗、濃醇まで、個性的なお酒が豊富に揃います。

京都府「伏見」

灘と同様に水に恵まれ、古くから日本酒造りに適した土地として栄えた京都府の「伏見」。現在でも「日本名水百選」に選ばれる名水「御香水」が湧き出し、水に関する伝説も数多く残されています。

伏見の歴史

伏見の酒造りの歴史は、日本に稲作が伝わった弥生時代に遡ります。安土桃山時代に入ると豊臣秀吉が伏見城を築城し、城の周辺に城下町が構築されて人口が増え、日本酒の消費量が増加。良質な水が湧き出ている背景もあり、酒造りの伝統がさらに発展しました。現在でも伏見には24軒の蔵元が存在しています。

伏見の日本酒の特徴

伏見の「御香水」は、ミネラルやカリウム、カルシウムなどがバランス良く含まれた中硬水です。御香水で造られた日本酒はきめ細やかな口当たりで、灘の「男酒」と対比して「女酒」とも呼ばれます。新酒は甘口に仕上がります。

三大酒処の日本酒を味わおう

今回は、三大酒処の歴史や特徴についてご紹介しました。それぞれの地域で、先人たちの努力と英知によって発展してきた日本酒造りの文化。その歴史に想いを馳せつつ、土地ごとに異なる味わいや香りを飲み比べてみるのも面白いです。

京仕込キンシ正宗では、創醸天明元年(1781年)より京都の水と酒米、そして麹造りにとことんこだわった酒造りを続けています。普段の晩酌から特別な日まで、ぜひ格別な日本酒を楽しんでみてください。