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日本酒の香りの種類と成分を徹底解説。多彩な香りを楽しもう


お米由来のふくよかな香りや、華やかでフルーティーな香りなど、造りや銘柄によって多種多様な香りを持つ日本酒。

人が感じるおいしさには、味だけでなく、香りが深く関わっています。つまり日本酒の香りは、日本酒を楽しむ上でとても重要な要素です。

今回は、日本酒の香りの種類と成分についてご紹介します。

 

 

日本酒の香りの種類

日本酒の香りは、「上立ち香(うえだちか)」「含み香(ふくみか)」という言葉で表されます。

ここではそれぞれどのような香りなのか解説していきます。

 

「上立ち香」とは

「上立ち香」とは、日本酒を飲むときにグラスから立ち上がる香りを指します。

 甘い果実のように華やかでフルーティーな吟醸香、ドライフルーツやスパイスのような奥深い熟成香、原料のお米に由来するつきたての餅や穀物のようなふくよかな香りなどが、上立ち香として感じられます。

上立ち香は冷やすと感じにくくなるため、香りをより楽しむためには冷酒ではなく、常温か熱燗で楽しむのがおすすめです。

上立ち香は良い香りだけでなく、劣化した日本酒から生じる「老香(ひねか)」を感じることもあります。

高温で保存したり長期間保存したりすることで日本酒が劣化し、熟成が変に進みすぎてしまったような不快な香りが現れます。

「含み香」とは

含み香とは、日本酒を口に含んで最初に感じられる香りのことです。

「口中香(こうちゅうか)」とも呼ばれます。日本酒を口に含んで口の中に行き渡らせ、鼻から息を出すと、呼気とともに鼻から口に抜けていくように含み香を感じられます。

また日本酒を飲みこむ瞬間に感じられる香りは「吟香(ぎんか)」、飲みこんだ後に感じられる後味のような香りは「返り香(かえりか)」と呼ばれます。

上立ち香と含み香の違いが少ないほど、日本酒の香りのバランスが取れていると言われています。

 

日本酒の香りの成分

日本酒の香りを生成する成分は100種類以上あると言われており、そのバランスで人が感じる香りが決まってきます。

ここでは、主な香りの成分についてご紹介します。

「吟醸酒」の香りの成分

香りが豊かな日本酒としてまず思い浮かべるのは「吟醸酒」ではないでしょうか。

吟醸酒は、精米歩合60%以下までよりよく精米した米を原料として、低温でゆっくり発酵させる「吟醸造り」という製法で造られる日本酒です。

すっきりとした繊細な味わい、そして「吟醸香」と呼ばれる香りが大きな特徴です

吟醸酒ならではのフルーティーで華やかな香りは、主に以下の成分から生まれます。

  • ・リンゴのような香りを生成する「カプロン酸エチル」
  • ・バナナのような香りを生成する「酢酸イソアミル」
  • ・マジックのような香りを生成する「イソアミルアルコール」
  • ・マスカットやライチのような香りを生成する「4MMP」

熟成酒の香りの成分

熟成酒とは、その名の通り長期間にわたり熟成させた日本酒のことです。

一般的には製造から1年以上経過したお酒を指し、中には2年から10年以上熟成させているものもあります。

熟成させることで、甘味や苦味、酸味などが増してとろりとした濃厚な味わいに、色味は透明から黄色、琥珀色、褐色へと変化します。

また、こっくりとした「熟成香」が生まれます。熟成香を生み出すのは、以下のような成分です。

  • ・カラメルやドライフルーツのような香りを生成する「ソトロン」
  • ・焦げたような香りを生成する「イソバレルアルデヒド」
  • ・ほうじ茶のような香りを生成する「ピラジン類」
  • ・蜂蜜のような香りを生成する「コハク酸ジエチル」

これらの香りの濃さは、熟成する年数によっても異なります。また樽で熟成させた場合は、バニラやチョコレートを彷彿とさせる「樽香」も加わります。

 

奥深い日本酒の香りの世界

今回は、日本酒の香りの種類と成分についてご紹介しました。

麹菌や酵母、発酵経路によって、日本酒にはさまざまな香りが生まれます。香りの種類や成分について知ることで、日本酒についての理解を深め、より好みの日本酒を見つけやすくなるはずです。

ぜひ香りの違いに注目して、日本酒を楽しんでみてください。