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日本酒の甘口とは。おすすめの選び方や楽しみ方をご紹介


「日本酒の独特の味わいやアルコール感が苦手」「日本酒初心者でどれを選べばよいか分からない」そんな方におすすめなのが、甘口の日本酒です。

口あたりがなめらかな甘口の日本酒は、飲み慣れていない方でも馴染みやすいです。今回は、日本酒の甘口・辛口の判断基準、甘口の日本酒を選ぶポイントや相性の良い料理についてご紹介します。

 

日本酒の甘口・辛口とは

日本酒の甘口・辛口とはよく耳にしますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。実は日本酒の甘口・辛口の線引きには、明確な定義はありません。おおよその判断基準として、ではどのように判断されるかというと、「日本酒度」「酸度」「アミノ酸度」の3つの要素が挙げられます。

日本酒度とは、日本酒に含まれる糖分の割合を示すものです。日本酒度が高いと糖分が少なく、低いと多くの糖分を含みます。つまり、一般的には数値がマイナスになればなるほど甘口、プラスになればなるほど辛口とされています。

また、酸度も甘口・辛口を判断する重要なポイントです。酸度は、日本酒に含まれる酸の割合を示します。酸度が低いとすっきりとなめらかな口当たりの「淡麗」、酸度が高いと濃厚でどっしりとした味わいの「濃醇」になります。日本酒度が同じであれば、酸度が高い方が辛口に、酸度が低い方が甘口に感じられます。

日本酒には、アルギニン、チロシン、セリン、ロイシン、グルタミン酸など約20種類のアミノ酸が含まれています。アミノ酸度は、日本酒に含まれるアミノ酸の総量を示した数値です。近年の日本酒は、1.23〜1.39くらいが平均的なアミノ酸度の目安です。アミノ酸は旨みやコクのもとになるため、アミノ酸度が高いほど芳醇でコク深い味わいになり、お米本来の甘さを感じられます。

 

甘口の日本酒を選ぶポイント

甘口・辛口を判断するにもさまざまな要素があり、甘口に分類されている日本酒でもその味わいや風味には大きく幅があります。日本酒度や酸度の数値はひとつの基準として、自分の好みの味わいを探すことが大切です。ここでは、自分好みの日本酒で出合うための甘口の日本酒を選ぶポイントについて見ていきましょう。

まず日本酒を飲み慣れていない方は、日本酒度の低いものから選ぶのがおすすめです。-1.5以下を目安にすると、甘くて飲みやすい日本酒を選べます。

甘口の中でもより好みの味わいを選ぶためには、酸度と日本酒度を組み合わせて選ぶことも重要です。甘くてもさっぱりと飲みやすいものであれば「淡麗甘口」、濃厚な味わいを楽しみたいなら「濃醇甘口」と謳われているものを選ぶと良いでしょう。

酸度や日本酒度は、必ずしもラベルに記載しなければいけないわけではありません。ラベルに記載がなく迷ったときは、酒造会社のホームページに公開されていることもあるためチェックしてみましょう。

 

甘口の日本酒に合う料理

甘口の日本酒をよりおいしく楽しむには、どのような料理と合わせると良いのでしょうか。

まずおすすめなのが、みりんや砂糖を使った甘めの料理です。日本酒自体が甘口なため、甘い味付けの料理とはよく合います。その中でも、油分の多い豚の角煮や天ぷらなどには淡麗甘口タイプ、力強い味わいのすき焼きやウナギのかば焼きなどには濃醇甘口タイプが相性抜群です。

また日本酒の甘味には料理の酸を穏やかにする効果があるため、酢豚やぬか漬けなど酸味のある料理と合わせるのもおすすめです。フルーティーな香りのする甘口の日本酒には、香りのイメージと近いフルーツと合わせるとよく調和します。

 

初心者でも飲みやすい甘口の日本酒を堪能しよう

今回は、日本酒の甘口・辛口とはどういうものか、甘口の日本酒を選ぶポイントや相性の良い料理についてご紹介しました。

甘口の日本酒といっても、その味わいは多岐にわたります。

日本酒度や酸度、アミノ酸度などの数値を参考にしつつ、自分好みの甘口を見つけてみましょう。