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日本酒のおいしさを引き出す。塩をおつまみに粋な晩酌を


日本酒に合うおつまみと言えば、寿司や刺身、和食などを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。日本酒通の方におすすめなのが、塩を「肴」にする飲み方です。実は日本酒と塩は相性抜群。日本酒本来の味わいを存分に引き出してくれます。今回は、日本酒と塩が合う理由や、日本酒にぴったりな塩の選び方をご紹介します。

日本酒と塩は相性抜群

人が舌で感じる味覚は、甘味、酸味、苦味、旨味、塩味の「五味」によって構成されます。これらのバランスによって、食べ物や飲み物のおいしさが決まります。日本酒には五味のうち、塩味以外のすべてが含まれています。塩をつまみにして日本酒を飲むことで、不足した塩味を補い、五味のバランスが良くなるためよりおいしく感じられるのです。

またスイカに塩をかけると甘く感じる様に、塩には甘味や旨味を引き立てる効果もあります。塩の相乗効果で、日本酒の甘みと旨味をより感じられるようになります。塩は日本酒そのものの味を邪魔しないため、繊細な味の違いを楽しめて、飲み比べにもぴったりです。

日本酒と塩の組み合わせは、戦国時代には既に登場していたといわれています。四角い升の角に塩を盛り、少しずつ舐めながら飲む「升酒」というスタイルも、江戸時代には始まっていました。升のなかにグラスを入れ、そこに日本酒をなみなみと注ぐ「盛っきり」と呼ばれる飲み方がメジャーになってきています。日本酒と塩は、意外なようで実は遥か昔から日本酒好きに愛されてきた組み合わせだったのです。

日本酒にぴったりな塩の選び方

日本酒と塩の組み合わせにチャレンジするなら、塩にもこだわって選びたいですよね。日本酒と同じように、塩にもさまざまな品種や種類があり、それぞれ異なる味わいや食感を楽しめます。ここでは、日本酒にぴったりな塩の選び方のコツをご紹介します。

まず、日本酒と合わせるならできるだけ天然塩を選ぶのがおすすめです。天然塩にはミネラル分が含まれており、塩本来の甘味があります。ミネラル分が日本酒の味わいをより引き立ててくれます。天然塩を見極めるには、栄養成分表示を見てミネラル分が含まれているかを確認しましょう。ミネラル分が「0」や記載されていない場合は、天然塩ではありません。

おつまみとして食感も楽しむなら、結晶タイプの塩がおすすめです。大きい粒のサクサクとした食感がアクセントとなり、よりおいしく日本酒を楽しめます。

ふつうの塩に飽きたら、こんぶ塩や梅塩、「シーズニングソルト」と呼ばれるハーブやスパイスを合わせた塩などの変わり種もおすすめです。いろいろな塩を揃えて、日本酒に合う組み合わせを見つけてみましょう。

塩分の摂りすぎには要注意

塩をつまみにして日本酒を飲む場合は、塩分の摂りすぎに注意が必要です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、1日の塩分摂取量(食塩摂取量)の基準は男性で7.5g未満、女性で6.5g未満とされています。塩分を多く摂りすぎると血液中の塩分濃度が高くなり、高血圧や生活習慣病の原因となります。日本酒と共につい塩を摂りすぎないよう、豆皿にほんの少し盛ったり、塩だけでなく塩分控えめなおつまみも一緒に用意したりするなどして量を調整しましょう。

塩をつまみに日本酒をよりおいしく

今回は、日本酒と塩が合う理由や、日本酒にぴったりな塩の選び方をご紹介しました。「塩」という調味料をおつまみにするとは意外な感じがしますが、実は昔から愛されてきた相性抜群な飲み方です。

京仕込キンシ正宗では、創醸天明元年(1781年)より京都の水と酒米、そして麹造りにとことんこだわった酒造りを続けています。普段の晩酌から特別な日まで、ぜひ塩と日本酒のお気に入りの組み合わせを見つけて楽しんでみてください。