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日本酒との相性抜群!京都の食卓に欠かせない「京漬物」とは


白米が進むご飯のお供やお茶漬けとして、また酒の肴にもぴったりな漬物は、日本の食卓には欠かせない存在です。日本酒との相性も抜群で、シンプルな味わいで日本酒のおいしさを引き立ててくれます。京都で作られた日本酒には、京都特産の京野菜を使った「京漬物」を合わせるのも粋な楽しみ。今回は、京漬物の魅力や相性抜群な日本酒をご紹介します。

京都で生まれた「京漬物」とは

そもそも漬物が日本に生まれたのは、はるか昔の縄文時代と言われています。大陸から野菜の栽培方法が伝わると同時に、保存方法として漬物が広まりました。奈良時代ごろまではナスやウリの漬物が主流でしたが、その後さまざまな野菜が使われるようになり、平安時代には約50種の漬物が文献に登場しています。

京都では、海から離れていて海産物が入手しづらい土地柄から、古くから食べ物の保存技術が発達してきました。また都として栄えてきた歴史から、全国から献上品としての野菜が集まり、それらが京都特有の風土で育まれることで多種多様な「京野菜」が生まれました。こうした背景から京都では漬物づくりが盛んに行われ、「京漬物」としての文化が根付いたのです。野菜本来の旨みを活かした薄い味付けが特徴で、香りや色合いを大切にした上品な味わいを楽しめます。

京都の三大漬物

京漬物にはさまざまなものがありますが、中でも有名な三大漬物が「千枚漬」「すぐき」「しば漬」です。それぞれの特徴をご紹介します。

千枚漬

千枚漬とは、かぶらを薄く切って漬けた京都の特産品です。本来は薄切りにしたかぶらを塩だけで漬けて乳酸発酵させた黄白色の漬物ですが、現代では塩で下漬けした後に昆布や唐辛子などと酢漬けにするのが主流です。

かぶらは、主に京都の伝統野菜である「聖護院かぶ」が使われます。聖護院かぶは大きなものだと4kgから5kgにもなる国内最大のかぶで、やわらかく上品な味わいが特徴です。聖護院かぶが収穫できるのは11月~2月ごろ。千枚漬けは、この時期にしか食べられない旬の味覚です。

すぐき漬

すぐき漬は、京の伝統野菜のかぶらの一種である「すぐき」を塩だけで漬け込んだものです。「天秤押し」、「室」などの独特かつ伝統的な製法が今も守られ、すぐきが栽培される上賀茂地区周辺では冬の風物詩として知られます。乳酸発酵によってできる、熟成されたコクのある酸味が特徴です。そのまま食べるのはもちろん、好みに合わせて醤油や七味唐辛子、煎りごまなどをかけてもおいしく食べられます。

すぐきが旬を迎える時期は、11月下旬~12月初旬。大根を小さくしたような見た目で、根の長さは約10〜20cmあります。根の部分は漬物に、葉の部分はおひたしの材料として古くから愛されてきました。

しば漬け

しば漬けは、なすやきゅうり、みょうがなどを、赤しその葉とともに塩漬けした漬物です。今や全国各地で定番の漬物となったしば漬けですが、もとは赤しその名産地として知られる京都市左京区の大原地区が発祥です。

樽の中で長期熟成させる自然乳酸発酵の漬物なので、樽出しの時期により異なる風味を楽しめます。新漬けのしば漬はさっぱりと爽やかな酸味のある味わい、初秋から冬にかけては熟成された深みある味わいになります。

日本酒と京漬物は相性抜群!

漬物は日本酒と同じ発酵食品なので相性がよく、さらに日本酒の持つ四味に漬物の塩味が加わることでよりおいしさを引き立ててくれます。

まろやかな味わいとシャキッとした食感が楽しめる千枚漬には、とろみのある純米吟醸の原酒がおすすめです。またキレが良くすっきりした味わいの吟醸酒もよく合います。すぐき漬には、生酒を熟成させたものを合わせると酸味を穏やかにしてくれます。赤しその風味豊かなしば漬には、個性的な日本酒を合わせることでどちらの風味も負けることなく楽しめます。

風味豊かな京漬物を格別な日本酒とともに

今回は、京漬物の魅力や相性抜群な日本酒をご紹介しました。OMO5京都三条では、期間限定のOMOベースで「京町つけものビアベース」を開催中です。「加藤順漬物店」の漬物をお供に、京都の酒蔵「黄桜」「キンシ正宗」が手がけるクラフトビールを楽しめます。相性抜群の組み合わせで、京都の美味を堪能する夜を過ごせます。

京仕込キンシ正宗では、創醸天明元年(1781年)より京都の水と酒米、そして麹造りにとことんこだわった酒造りを続けています。ぜひ格別な日本酒を、京漬物と合わせて楽しんでみてください。