日本酒のおつまみと言えば、味が濃くコクのあるものや塩気の強いものをイメージする方が多いでしょう。
しかし日本酒にはさまざまな種類があり、それぞれ味わいや香りが異なります。種類によっては、甘いものと合わせてもおいしく楽しめます。
今回は、同じ日本の食文化である和菓子と日本酒の、おすすめのペアリングについてご紹介します。
日本酒と和菓子は相性抜群
和菓子も日本酒も、古くから人々に親しまれてきた日本の食文化です。
日本酒と和菓子と聞くと意外な組み合わせに思えるかもしれませんが、日本では古くから楽しまれてきました。
和菓子にはお米を原料に使用して作られるものも多く、同じくお米から造られる日本酒とはよくマッチします。
和菓子のまったりとした濃厚な甘さが、日本酒のお米由来のふくよかな味わいを引き立ててくれます。
淡麗辛口の日本酒で知られる新潟では、江戸時代からゆべしと日本酒を一緒に楽しむのが定番だったそうです。
ゆべしとは、漢字表記では「柚餅子」。柚子やくるみなどを用いて作られる和菓子で、地域によって製法や形、味わいは異なります。
新潟のゆべしは、もっちりと弾力のある食感とやさしい甘さが特徴です。
日本酒と和菓子のおすすめペアリング
味わいも香りも多種多様な日本酒。その味わいや香りにマッチする和菓子を選んで組み合わせるのも、日本酒の楽しみ方のひとつです。
とはいえ、日本酒も和菓子もたくさんの種類があるからこそ、どう組み合わせてよいのか悩んでしまいますよね。
ここでは、日本酒と和菓子のおすすめの組み合わせをご紹介します。
白あんの上生菓子×甘口の日本酒
一般的に水分量30%以上の和菓子を「生菓子」と呼び、その中でも特に上等な生菓子は「上生菓子」と呼ばれます。
和菓子職人が一つひとつ手で作り上げる上生菓子は、季節を感じる華やかな見た目で、古くからおもてなしの場に用いられてきました。
白あんを使った上生菓子は、しっとりとした口当たりと上品な甘さが特徴です。
甘口の日本酒には華やかでフルーティーな香りと甘みがあり、上生菓子の端正な味を引き立てます。
羊羹×古酒
長期間熟成させて造られる古酒には、羊羹を合わせるのがおすすめです。
古酒は褐色がかった見た目で、熟成が進むごとに淡い黄金色から琥珀色、ルビー色へと変化していきます。コーヒーやスパイスのような芳醇な香りがあり、カラメルのような甘味と程よい酸味、苦味を感じられる味わいが特徴です。
この独特な風味が、羊羹のねっとりとした口当たりと濃厚な甘味とマッチして、新たなおいしさを楽しめます。
お米を使った和菓子×純米吟醸酒
お米を使った大福やおはぎ、桜餅などの和菓子には、純米吟醸酒がよく合います。
純米吟醸酒は、フルーティーな味わいとお米由来の旨みが特徴のお酒です。同じお米を使ったもの同士を合わせることで、お米の風味がマッチしておいしく味わえます。
特にあんこに合うのは、キリッとした辛口の純米吟醸酒です。最近では純米吟醸酒を使ったあんこも販売されています。
フルーツを使った和菓子×生酒
生酒は、もろみを搾ったまま火入れを一切行わない日本酒です。
甘味と酸味のある味わいと、さらりとした軽快な飲み心地を楽しめます。生酒ならではのもぎたてのフルーツのようなフレッシュな味わいは、フルーツを使った和菓子と相性抜群です。
特に柑橘系のゼリーと冷たい生酒はよく合い、さっぱりと爽やかな後味を楽しめます。
日本酒×和菓子の新しいおいしさを発見しよう
今回は、和菓子と日本酒のおすすめのペアリングについてご紹介しました。
それぞれ豊富な種類がある日本酒と和菓子。似た風味のものを合わせたり、不足した味わいを補うものを合わせたりと、組み合わせ次第でさまざまな楽しみ方があります。
今回ご紹介した組み合わせ以外にも、お気に入りのペアリングを見つけてみてください。