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捨てるのはもったいない!古い日本酒の活用法


戸棚や冷蔵庫の奥底に置いたまま、古くなってしまった日本酒はありませんか?日本酒は基本的には賞味期限がなく長期保存が可能なお酒ですが、同じ味わいをいつまでもキープできるわけではありません。とはいえ、せっかくの日本酒を捨てるのももったいないですよね。そこで今回は、古くなった日本酒の活用法をご紹介します。

古い日本酒は味わいや香りが変化する

日本酒には賞味期限の表示義務がなく、「製造年月」が記載されます。おいしく飲める期限は、2度加熱処理がされているもので製造年月から1年以内。火入れ処理が1度、またはしていないものは、冷蔵庫保存で製造年月から6~9ヵ月が目安です。しかし直射日光や高温の環境、温度変化の激しい場所など、保存環境によっても劣化スピードは異なります。開封前の古い日本酒はまず製造年月を確認した上で、色が変化していないか、味わいや香りが損なわれていないかをチェックしましょう。

どの日本酒でも一度開封したものは劣化が進むため、なるべく早く飲み切る必要があります。開封済みの古い日本酒は、健康に悪影響を及ぼす可能性があるため口にしない方が良いでしょう。

料理に活用

古くなった開封前の日本酒は、そのまま飲むには風味が変わっていても、料理には大活躍してくれます。

料理酒として使用する

料理酒は、米、米こうじ、食塩などを原料として作られた、料理に特化した醸造調味料を指します。日本酒も米、米麹、水といったほとんど同じ原料で作られるため、料理集の代用としてはぴったりです。食材の臭みを消したり、旨味やコクを引き出したりする効果が期待できます。食材を柔らかくして味を染み込みやすくするため、煮物にも欠かせません。

炊飯に使用する

ご飯を炊く際、お米200gに対して小さじ1〜2杯程度の日本酒を加えることで、米の甘味が増してふっくらおいしく炊きあがります。これは日本酒に含まれるアルコールと糖分が作用するためです。

お米は古くなると、米の糠や米の表面の部分に含まれている脂肪分が古くなり独特な匂いを発します。このような古くなったお米を炊く際にも、日本酒を加えることで独特の臭みが抑えられて、つややかにおいしく炊きあがります。

美容に活用

古くなった日本酒をお風呂の入浴剤や化粧水として活用することで、美肌効果が期待できます。日本酒はお米を発酵させるための麹菌が加えられており、豊富なアミノ酸を含みます。また、細胞を活性化させアンチエイジングに効果のある「フェルラ酸」という成分も含みます。日本酒を活用した日本酒コスメも多く販売されるほど、日本酒の美肌効果は注目されているのです。

入浴剤としてお風呂にコップ一杯の日本酒を加えるだけで、お肌をしっとりと保湿し、良い香りでリラックス効果も期待できます。日本酒には、血流を良くする働きのあるアデノシンという物質がほかのアルコール飲料と比較しても豊富に含まれています。身体の芯からポカポカにしてくれるため、寒い季節にはぴったりの入浴剤です。

また日本酒を水で薄めて化粧水としても活用できます。化粧水として使うなら、余計なものが入っていない純米酒がおすすめです。まずは手などに塗ってパッチテストをしてから使うと良いでしょう。

日本酒を最後までフル活用しよう

今回は、古くなった日本酒の活用法をご紹介しました。日本酒は風味が損なわれないうちにおいしく飲み切るのが一番ですが、つい飲み忘れて残ってしまうこともありますよね。料理や美容に活用することで、最後まで無駄にすることなく使いきれます。ただし濁っていたり嫌な臭いがしたりするものは、身体に害を及ぼす可能性があるため処分しましょう。

京仕込キンシ正宗では、創醸天明元年(1781年)より京都の水と酒米、そして麹造りにとことんこだわった酒造りを続けています。普段の晩酌から特別な日まで、ぜひ格別な日本酒を楽しんでみてください。