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意外と知らない!日本酒の注ぎ方のマナーとは


目上の方と一緒にお酒を飲むとき、気になるのが酒席のマナーですよね。正しいマナーを教えてもらう機会は、意外と少ないもの。自分のマナーが合っているのかどうか、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、目上の人にお酌をする際の「注ぎ方」のマナーについてご紹介します。

注ぎ方のマナーの基本

まずは、注ぎ方のマナーの基本から見ていきましょう。

とっくりは、真ん中の方を右手の指でつかむようにして持ちます。左手は右手とは反対側、下の方に軽く添えます。注ぐときは、右手の甲が必ず上に向くようにしながらとっくりを傾けるのが正しい注ぎ方です。

食器類がぶつかる音は良くないとされるため、注ぎ口は盃につかないように気を付けます。盃いっぱいに注がず、盃の8分目までを目安に注ぎましょう。盃いっぱいまで注ぐと、飲み手側にとっては飲みづらくなるため注意が必要です。注ぐときは、日本酒の筋が「細く、太く、さらに細く…」となるよう意識します。注ぎ終わるときは、とっくりの口先を手前に軽く回して日本酒が垂れないようにしましょう。

とっくりの注ぎ口を使うのはマナー違反?

「とっくりの注ぎ口を使うのはマナー違反」「注ぎ口以外から注ぐべき」といったマナーを聞いたことがある方もいるかもしれません。注ぎ口を使うのがマナー違反と言われる理由として、「注ぎ口は”円の切れ目”なので、”縁の切れ目”を連想させる」など諸説ありますが、どれも信ぴょう性のないものです。そもそも注ぎ口は日本酒を注ぎやすいように作られたものなので、お酌をするときに注ぎ口を使うのは自然なこと。注ぎ口を使うことはマナー違反とは言えないため、気にせずに注ぎ口から注ぎましょう。

日本酒を楽しむ席でのNG行為

ここでは、日本酒を楽しむ席でやってはいけないNG行為をご紹介します。

のぞきとっくり

「のぞきとっくり」とは、とっくりの中をのぞいて、お酒がどれだけ残っているかを確認することを指します。お酒の席では下品な行為とされており、避けた方が良いです。残りのお酒の量を確認したい場合は、とっくりを持ったときの重さで判断しましょう。

振りとっくり

「振りとっくり」は、その名の通りとっくりを振ることを指します。のぞきとっくりと同じくお酒の残っている量を確認する行為なので、マナー違反とされます。

倒しとっくり

「倒しとっくり」とは、飲み終わって空になったとっくりを倒して転がしておくことを指します。とっくりがコロコロと転がったり、テーブルがお酒で汚れたりするほか、とっくりが割れてしまう恐れもあり危険です。

盃を逆さにする

もう飲めない、飲みたくないからといって、盃を逆さにするのは相手にとって失礼にあたります。あからさまに「いらない」という態度は、相手を不快にさせる可能性があり、テーブルが汚れる原因にもなります。注がれそうになった際は丁寧にお断りするか、注いでもらった日本酒を一口だけ飲んでテーブルの上に置いておきましょう。

置き注ぎ

「置き注ぎ」とは、机の上に置かれた盃へ日本酒を注ぐ行為でマナー違反とされています。ワインでは逆に置いたまま注ぐのが正しいとされるため、間違わないようにしましょう。注ぐ際は、「お酌いたします」と声をかけて、相手に盃を持ってもらってから注ぐのが正しいマナーです。

あわせとっくり

「あわせとっくり」とは、複数のとっくりに残ったお酒を1つのとっくりにまとめることです。日本酒は種類によって風味が大きく異なり、温度によっても影響されます。1つにまとめることで日本酒の繊細な味わいを壊しかねないため、NG行為とされます。

正しいマナーを学んで日本酒を楽しもう

今回は、目上の人にお酌をする際の「注ぎ方」のマナーについてご紹介しました。日本酒を楽しむうちに酔いが回り、無意識のうちにマナー違反の行為をしてしまうこともあるかもしれません。目上の人がいるお酒の席でうっかりマナー違反をしてしまわないよう、事前に正しいマナーを学びましょう。

京仕込キンシ正宗では、創醸天明元年(1781年)より京都の水と酒米、そして麹造りにとことんこだわった酒造りを続けています。目上の方との飲み会では、ぜひ格別な日本酒を楽しんでみてください。