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心身がほっと安らぐ。日本酒の「卵酒」とは


春の日差しが心地よい季節となりましたが、まだまだ朝晩には冷え込むことも多いですよね。

寒暖差の大きい季節の変わり目は、体調を崩しやすいため注意が必要です。

体を温めて回復したいときには、日本酒を使ったホットカクテル「卵酒」を楽しんでみませんか?

今回は、卵酒とはどんなものか、その魅力や作り方についてご紹介します。

 

卵酒とは

卵酒とはホットカクテルの一種で、日本酒をベースに鶏卵と砂糖を混ぜて温めて作られます。

卵酒は冬の季語にもなっており、古くから多くの人々に親しまれてきました。

江戸時代の料理書「料理物語」や「本朝食鑑」でも、その作り方が紹介されています。当時は卵は貴重で高価なもので、栄養価が高いことから薬として扱われていました。

卵酒も、滋養強壮を目的とした薬酒として飲まれていました。現代でも、風邪を引いたときや身体を温めたいときによく飲まれています。

海外にも、卵酒とよく似た「エッグノッグ」と呼ばれる飲み物があります。

卵、砂糖、牛乳に、ブランデーやラム酒などのお酒を加えた甘いホットカクテルです。

ほかにも、ドイツの「アイヤープンシュ」やオランダの「アドヴォカート」、オーストリアの「アイヤーリキュール」など、世界にはさまざまな卵酒があります。

 

卵酒の魅力

卵酒の材料である卵には、さまざまな栄養素がバランスよく含まれています。

卵白はほとんどがタンパク質で、口内炎や口角炎の予防に役立つビタミンB2も豊富です。

卵黄にはタンパク質、脂質のほか、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB群、レシチンなどが含まれます。

また日本酒に含まれる成分からも、健康に良い効果が期待できます。日本酒に豊富に含まれるアミノ酸は、生命の源となる物質で、人の体に必要なタンパク質を構成します。

卵酒のように温かいお酒は、胃や腸でのアルコールの吸収が早くなります。特に日本酒はほかのお酒よりも血管を拡張する「アデノシン」という成分が豊富なため、身体の隅々まで温めてくれます。

疲れたときや、なかなか眠れないとき、冷え性の方にもおすすめです。

しかし、アルコールが飲めない体質の人や卵アレルギーのある人は注意が必要です。

アルコール分が苦手な場合は、日本酒をしっかりと煮詰めてアルコールを飛ばして作ると良いでしょう。

 

卵酒の作り方

卵酒はとても簡単に作れます。ここでは、基本の卵酒の作り方をご紹介します。

材料

  • ・卵 1個
  • ・砂糖 大さじ1~2
  • ・日本酒 180cc

作り方

  1. 1.ボウルに卵を割り入れ、砂糖を加えて泡立て器でかき混ぜます。白身の部分が残らないよう、よくかき混ぜることで口当たりが良くなります。ザルを使って濾すと、よりなめらかになります。
  2. 2.日本酒を鍋に入れて、沸騰する直前くらいまで温めます。
  3. 3.1.の卵と砂糖に、温めた日本酒を注ぎます。卵が固まらないよう、混ぜながら少しずつ加えます。よく混ざったら完成です。

アレンジ

日本酒や砂糖の量は、お好みで調整しましょう。

牛乳や豆乳、生姜などほかの食材をプラスしてアレンジするのもおすすめです。

日本酒の半分を牛乳や豆乳に変えることで、マイルドでやさしい味わいになります。日本酒独特の香りやアルコール感が苦手な方でも、ぐっと飲みやすくなります。

豆乳は分離しやすいため、加熱しすぎないように注意して作りましょう。

生の生姜をすりおろして加えると、身体がポカポカしてより温まります。

そのまますりおろすとザラリとした口当たりを感じるため、なめらかに仕上げるには一度生姜を冷凍してからすりおろすのがおすすめです。

生の方が栄養価は高いですが、手軽に試すならチューブタイプを使用しても良いでしょう。

 

心身をポカポカに温める卵酒

今回は、卵酒とはどんなものか、その魅力や作り方についてご紹介しました。

はるか昔から人々に親しまれてきた卵酒。簡単に作れて、おいしい上に身体をポカポカに温めてくれます。

季節の変わり目に身体の疲れを感じたときは、じっくりと卵酒を味わって心身を回復させましょう。