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「大吟醸」とは。ほかの日本酒との違いや選び方のポイントを知ろう


日本酒には多種多様な種類があり、原料や製法などによって細かく分類されます。中でもフルーティーで華やかな「大吟醸」は、日本酒を飲み慣れていない方でも飲みやすく、人気の高いお酒です。

今回は、大吟醸の特徴やほかの日本酒との違い、選び方のポイントなどについてご紹介します。

 

大吟醸とは

日本酒は、大まかに「特定名称酒」と「普通酒」の2つに分類されます。

米、米麹、醸造アルコールのみを原料として造られるのが「特定名称酒」、それ以外の原料が含まれているものが「普通酒」です。

特定名称酒の中でもさらに、醸造アルコールを使用しているかどうか、精米歩合はどれくらいかによって6種類に分けられます。大吟醸は特定名称酒のひとつで、米、米麹、醸造アルコールから造られる精米歩合50%以下のお酒を指します。

大吟醸は、原料となる米を時間と手間をかけて丁寧に磨き、低温でゆっくり時間をかけて発酵させて造られます。この製法は「吟醸造り」と呼ばれます。

大吟醸の特徴は、なんといっても「吟醸香」と呼ばれる華やかでフルーティーな香りです。この香りはお酒を発酵させる過程で酵母によって生まれ、原料であるお米の精米歩合が低いほど強い香りが生成されます。

大吟醸はお米をしっかりと磨いてある分、雑味が少なく、クリアで繊細な味わいを楽しめるのも特徴です。また製造過程で醸造アルコールを加えているため、スッキリとキレのある飲み心地です。

 

大吟醸の選び方のポイント

大吟醸にもさまざまな種類があり、特に日本酒初心者の方だとどれを選んだらよいのか悩んでしまいますよね。ここでは、大吟醸酒の選び方のポイントを見ていきましょう。

まず注目したいのが、大吟醸の大きな特徴である「香り」です。大吟醸の主な香りは、酢酸イソアミルによって生み出されるバナナのような穏やかな香りと、カプロン酸エチルによって生み出されるリンゴのような甘酸っぱい香りの2種類です。

そのほかにも複数の香りが合わさることで、白桃やメロン、ライチ、パイナップルなど、さまざまな果実に似た香りが生み出されます。好みの香りのものを選んでみると良いでしょう。

また、「甘口」か「辛口」で選ぶのもおすすめです。日本酒初心者の方は、まずは甘口から試すと飲みやすいでしょう。甘口の日本酒は、口に甘みが残りやすく、飲んだ後の余韻が長く楽しめます。

スッキリと爽やかな喉ごしを楽しみたい方は、辛口が向いています。日本酒における辛口とは、糖が少なく甘みが抑えられているという意味合いです。旨みや酸味などが感じやすく、日本酒本来の繊細な味わいをじっくりと味わえます。料理と合わせやすいため、食中酒としてもおすすめです。

 

大吟醸のおすすめの楽しみ方

大吟醸のおいしさを最大限に引き出して楽しむなら、冷酒で飲むのがおすすめです。

日本酒は冷やすことで香りを感じやすくなり、逆に温めると甘みや旨み、酸味などを感じやすくなります。大吟醸の魅力であるフルーティーな香りと繊細な味わいを活かすには、10度前後の冷酒がぴったりです。

しかし冷やしすぎると反対に香りを感じにくくなってしまうため、冷蔵庫で保管した後、飲む15分ほど前に少しだけ室温に戻しておくと良いでしょう。

また、日本酒を注ぐ器も重要なポイントです。大吟醸の香りと味わいをフルに感じるためには、ガラス製のグラスがおすすめです。ガラス製のグラスは無味無臭のため、日本酒本来の香りと味わいを邪魔することなく、ダイレクトに感じられます。

より香りを感じやすくするには、ワイングラスのように口のすぼまった形状のものがおすすめです。

 

フルーティーで飲みやすい大吟醸

今回は、大吟醸の特徴やほかの日本酒との違い、選び方のポイントなどについてご紹介しました。

華やかでフルーティーな香りが魅力の大吟醸は、日本酒初心者の方や女性からも高い人気を誇ります。豊富な種類がある日本酒選びで悩んだときは、まずは大吟醸から試してみるのも良いでしょう。