世界中の醸造酒の中でも、アルコール度数が比較的高めな日本酒。「日本酒を飲むと酔いやすい」「日本酒独特の強いアルコール感が苦手」という方も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめなのが、低アルコールの日本酒です。今回は、低アルコールの日本酒とはどのようなものか、その特徴と種類、楽しみ方についてご紹介します。
低アルコールの日本酒とは
一般的に低アルコールと呼ばれる日本酒は、アルコール度数が13%~14%以下のものが多いです。
中には10%以下の銘柄もあり、日本酒初心者から通の方まで広く楽しまれています。
日本酒のアルコール度数は銘柄によって異なりますが、平均すると15〜16度程度とされています。
酒税法により「清酒はアルコール度数が22度未満でなければならない」と定められているため、日本酒のアルコール度数の上限は22度です。原酒タイプの日本酒はアルコール度数が高めで、20度近くのものもあります。
低アルコールの日本酒の味わい
低アルコールの日本酒は、やわらかく軽やかな口当たりとやさしい甘味、爽やかな酸味が特徴です。
すっきりと飲みやすいため、日本酒初心者の方や苦手な方がまずチャレンジする日本酒としてもぴったりです。
低アルコール日本酒には、シュワッとした爽やかな炭酸が魅力の「スパークリング日本酒」も多くあります。
中にはアルコール度数がビールとほぼ同じ5度程度のものもあり、より飲みやすく楽しめます。
ほかにも、キリっと引き締まったドライなものや、甘酸っぱくフルーティーなものなど、多彩な味わいの低アルコール日本酒が登場しています。
飲むシーンや好みに合わせて選ぶのも楽しみのひとつです。
低アルコール日本酒の種類
低アルコール日本酒には、大きく分けて以下の2種類があります。
- ・加水希釈タイプ
- ・発酵停止タイプ
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
加水希釈タイプ
加水希釈タイプは、日本酒を希釈してアルコール度数を下げるシンプルな方法で造られます。
日本酒の製造過程では、貯蔵後にアルコール度数や香味のバランスを調整する「割水」、もろみの仕込みの際に水を加える「汲み水」、もろみの発酵中に水を加える「追い水」などの工程があります。
これらの水の量を通常よりも増やすことで、アルコール度数を低めに調整します。
ただ薄めるだけだと風味のバランスが崩れてしまうため、甘味や酸味を調整し、アルコール度数が低くてもおいしい日本酒になるよう工夫されています。
発酵停止タイプ
発酵停止タイプは、日本酒の製造途中でアルコール発酵を止める方法で造られます。
アルコール度数が高くなる前に、低い時点でもろみの発酵をストップさせて絞ります。
日本酒本来の味わいをしっかり残せることがメリットで、多くの酒造で採用されています。
しかし発酵管理が難しく、高度な醸造技術が必要です。新たな酵母を開発したり製造方法に工夫を施したりと、蔵元ごとに試行錯誤しながら製造されています。
低アルコール日本酒の楽しみ方
低アルコールの日本酒は、じっくり会話や食事を楽しみたいときにぴったりです。
ビールのアルコール度数は5%前後、ワインは10~15%前後なので、通常の日本酒のアルコール度数は、同じ醸造酒と比較すると高めな傾向があります。
ビールやワインと同じ感覚で飲んでいると、つい飲みすぎて酔ってしまうこともあるかもしれません。
低アルコールの日本酒なら、飲みすぎによる悪酔いや二日酔いのリスクを減らして長く楽しい時間を過ごせます。
軽やかで飲みやすく、さまざまな料理と合うため、食中酒としても最適です。
また低アルコールの日本酒は、ラベルデザインがかわいいものが多いです。
従来の日本酒とは一味違う、女性でも手に取りやすいデザインのものも多く、ギフトとしても喜ばれます。
幅広い層に愛される低アルコールの日本酒
今回は、低アルコールの日本酒とはどのようなものか、その特徴と種類、楽しみ方についてご紹介しました。
すっきりと飲みやすい低アルコールの日本酒は、日本酒初心者や苦手な方、すぐに酔ってしまうという方にもぴったりです。
幅広いラインナップがあるため、好みのものを見つけましょう。